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没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その1

本日は、現在開催中の企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」の展示室のようすをご紹介します。

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夢の箱(山手館)では、「民藝館」に出品された貴重な初期作品をご覧いただけます。民藝館とは、1928年に上野公園で開催された御大礼記念国産振興東京博覧会に出展されたパビリオンのことで、建築から内装、家具調度まですべて、民藝運動を始動させた柳宗悦に賛同した同人たちが制作しました。当時、若干23歳だった黒田辰秋は、民藝館の家具や什器を手がけました。

DSC05253.JPG             拭漆透彫梅文六角卓(1928)

この作品は、柳の書斎にあった中東の卓を手本に制作されたといいます。6面すべてにねじりの梅文が配されていて、うち1面は開閉できるようになっています。民藝館では、応接間のサイドテーブルのような役割で、メインのテーブルセットの脇に置かれていました。黒田の技術とこだわりが光る、存在感のある作品です。

企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」は、57日(日)まで開催中です。

みなさまのお越しをお待ちしております。


TH

展覧会

黒田辰秋展 関連イベント「森見登美彦先生と語る 京都の青春、上加茂民藝協団」

企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」の関連イベントとして、「森見登美彦先生と語る 京都の青春、上加茂民藝協団」を開催いたしました。
雪が降り続く中、多くの方々にお集まりいただきました。

今回のイベントでは、「京都の青春」をテーマに、森見先生と当館学芸員が座談会形式で語り合いました。

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黒田辰秋が暮らしていた場所がご自身の小説にも登場するため、「親近感を覚える」とおっしゃる森見先生。若き情熱を燃やした上加茂民藝協団がわずか2年で解散してしまい、心身ともに衰弱した黒田については、「自分の信念を抑えて協団の理念を信じ続けた結果、協団の破綻後、挫折感のような大きなショックがあったのではないか」と推測。ご自身の青春時代と重ねながら、語ってくださいました。

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また、大学時代に過ごされた下宿先の四畳半アパートは、森見先生のお父さまが決められたそうで、もしワンルームに住んでいたら『四畳半神話大系』は『ワンルーム神話大系』という小説になっていたかというとそうではない、とお話しくださるなど会場を和ませてくださいました。

イベントの様子は、当館レストハウスにて上映予定です。
上映の詳細については、後日お知らせします。お楽しみに。

企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」は、
57日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。


TH

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企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」が開幕しました

本日、企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」が開幕しました。初日から多くの方にご来館いただき、ありがとうございます。

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本展では、当館が所蔵する黒田辰秋の作品を開館以来はじめて一挙に公開いたします。

柳宗悦の思想に共鳴する同人らとともに、民藝美を空間全体として具現化し、生活に即した美を世に問うた「民藝館」での活躍など、民藝運動の熱の渦中に身を置いていた青年期に焦点を当てることで、幅広い技法により木の持つ美を追求し続け、人間国宝に指定された名匠黒田辰秋の原点に迫るような展覧会となっております。

また、黒田の作品とともに拭漆、朱漆、螺鈿、乾漆、溜漆といった技法に関する解説もございますので、これまで木工や漆芸に触れる機会があまりなかった方々にもお楽しみいただけることと思います。

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

(SU)