スタッフブログ

展覧会

大山崎山荘ツアー② 山荘を感覚でたのしむ を開催しました


2025年6月11日に「大山崎山荘ツアー② 山荘を感覚でたのしむ」を開催しました。

開館前の静かな時間に、1階テラスに設置した特別席からスタートです。
まずは呼吸を整え、体をリラックスさせながら、感覚をほぐしていきます。
この日は雨で、本館1階沿いの池では真っ白なスイレンが一輪だけ咲いていました。
「音」や「光」「触り心地」「温度」など実際に感じたり想像しながら、ゆっくりと時間をかけて風景を観察します。

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感覚を研ぎ澄ませ、ツアーに出発です。
本館内に使われている木材や石、ガラスなどの質感に注目し、それぞれの部屋を見学します。
参加者の皆さんからも、素材や意匠に関する質問が出ていました。
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地中の宝石箱(地中館)へ移動し、建物に反響する音に耳を澄ませ、ゆっくりと階段を降りて展示室へ向かいます。
階段横と突き当たりの窓からは池が見え、満開のスイレンが望めました。
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展示室では、全員でモネの描いた《睡蓮》を「音」や「光」をキーワードに鑑賞しました。
「水面の色から、夜明けに描かれた睡蓮のように感じる」「縦に入った筆致から、雨の日を描いたのではないか。雨の音が聞こえてきそう」「塗り残した白い部分が強い光のように感じられる」など、対話の中で、一枚の絵の中にさまざまな想像が広がりました。
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本館2階では、ステンドグラスや照明の光を楽しんだあと、1895年頃に製造されたアンティークオルゴールの音に耳を傾けました。
130年ほど前から変わらぬ音を響かせているディスクオルゴールです。
今月の曲目は「ローエングリン」です。
ディスクが一周して動きが止まったあとも、曲の余韻までたっぷりと鑑賞できました。
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雨の日の開催となりましたが、参加者アンケートからは「雨音やにおいがさらに五感を楽しませてくれました」「とても美しいゆったりとした気分で記憶に残る一日でした」など、嬉しいお声をいただきました。
ご参加の皆さま、ありがとうございました。

また、たくさんのご応募、ご関心をお寄せいただきました皆さまに感謝申しあげます。
次回の開催をお楽しみにお待ちください。

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展覧会

つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その4

現在、企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」を開催中です。
本日は前回ご紹介した棟方志功と同じく、河井寬次郎との出会いによって民藝運動に参加した黒田辰秋と青田五良をご紹介します。

黒田は京都の漆塗りを営む家に生まれ、木工や漆工の技術を独学で学びました。河井は、若くして木漆工芸の一貫制作を志す黒田に共感し、自宅に招いて親睦を深めます。
一方、同志社中学校の教師だった青田は、河井の作品に感銘を受け、河井をとおして知り合った柳宗悦の長男(柳宗理)の家庭教師を任されます。青田は、衰退の一途であった日本の植物染料の技法を独自に研究しました。

黒田と青田は、柳の提案した上加茂民藝協団の設立に参画し、共同生活を送りながら制作に打ち込みました。上加茂民藝協団が手がけた家具などの工芸品は、1928年に東京・上野で開催された「大礼記念国産振興東京博覧会」のパビリオン「民藝館」に並べられました。

黒田と青田の作品は、「夢の箱」(山手館)に展示しています。「民藝館」のために作られた作品も展示中ですので、ぜひご覧ください。

DSC04780.JPG青田五良《紬クッション》 1928年頃



DSC04313.JPG青田五良《裂織敷物》 1930年頃



企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。


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季節の庭園

「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」1万人目のお客様

現在開催中の企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、本日1万人目にあたるお客様をお迎えしました。

京都市内よりお越しの素敵な母娘のお客さまです。
美術館の近くにある重要文化財「聴竹居」(予約制)の見学の後にお立ち寄りくださいました。
雨上がりのひととき、スイレンとアイリスが見ごろを迎えた池を背景に、記念品の贈呈と記念撮影を行いました。
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最近福岡から京都に移住されたお母さまからは、「引っ越してきてよかった!」とお喜びの声をいただきました。

企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)までの開催です。
「地中の宝石箱」(地中館)南側の庭園池の周りでは、ハンゲショウやアジサイも色づいてきています。企画展とともに、この時期ならではの庭園の景色をご堪能下さい。
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