展覧会
受贈記念:没後10年 舩木倭帆展 ご紹介その1
本日は、今月15日から開催中の企画展「受贈記念:没後10年 舩木倭帆展」の展示室のようすをご紹介します。
展示室でみなさまを最初にお迎えするのは、こちらの作品です。
《手付デカンター》1977-87年
この作品は、本展のチラシやポスターのメインビジュアルのひとつで、すでに目にされた方も多いのではないでしょうか。吸い込まれるように深い緑色でありながら、どこまでも透き通ったガラスには、ハッとするような美しさを感じられます。ご来館の際は、写真の印象とは異なる実物ならではの魅力を、ぜひご堪能ください。
《アラレモール脚ワイングラス》1988-2012年
容器部分の外側全体にほどこされた突起が特徴的なこちらのワイングラスは、展示室内の光を乱反射し、溶けはじめた氷のようにきらきらと輝いています。作品の脚部にかかる影のなかに、やわらかな光の筋が見られるのもまた、光を透過するガラスならではでしょう。透明なこのグラスにどんなワインを注ごうか、どんな料理と合わせようかと、空想するだけでも楽しみは尽きません。
島根県の布志名焼窯元の家に生まれた舩木倭帆は、陶芸家の父・舩木道忠や兄・舩木研兒とともに暮らす環境で育ちながら、ガラス工芸の道を志しました。本展では、当館所蔵の舩木道忠、舩木研兒による陶器作品も展示しています。同じ“うつわ”でありながら、異なる素材でつくられた作品を比較するのも面白いかもしれません。
企画展「受贈記念:没後10年 舩木倭帆展」は、12月3日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
(TM)