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展覧会

「生誕130年河井寬次郎展 ―山本爲三郎コレクションより」 2万人目のお客様

「生誕130年河井寬次郎展 ー山本爲三郎コレクションより」は、おかげさまで2万人目のお客様をお迎えしました。たくさんのお客様にご来館いただき、ありがとうございます。

記念すべき2万人目のお客様は、京都からお越しの、建築を学ばれている学生さんでした。安藤忠雄氏の建築を調べる中で当館のことを知り、ご来館くださったとのこと。

新旧の建物と合わせて、河井寬次郎展もお楽しみいただければ幸いです。

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ロングランで開催してまいりました河井寬次郎展も3/7(日)までとなりました。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。

(IK)

展覧会

河井展ご紹介その8 陶硯と煙草具

本日は展覧会のご紹介第8弾です。第7弾では、食にまつわる河井のうつわをご紹介いたしました。(第7弾「くらしを彩るうつわ」https://www.asahibeer-oyamazaki.com/blog/2020/11/post-43111.html

今回は食を離れ、くらしのなかで活躍した作品をさらにご紹介いたします。

書をたしなむ河井は、昭和初期、陶硯や水滴の制作にも力をいれました。特に陶硯は、かねてより中国や朝鮮の硯に関心を寄せていたことに加え、雑誌『工藝』の硯特集に触発されて制作に没頭したといいます。

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《柿釉陶硯》(1936年頃)は、墨をたてる穴が二つあり、機能面も持ち合わせたまさに用と美が備わる作です。

三國荘では、河井の陶硯が芳名録とともに置かれていたといわれています。(三國荘について https://www.asahibeer-oyamazaki.com/blog/2020/10/post-43049.html)

戦後ふたたび、約20年ぶりに夢中になって手がけた陶硯は、従来の硯の概念にとらわれない自由な造形が目を引くものとなりました。各種手がけたなかでも、呉須や練上げの技法を用いた陶硯に会心を得るものが多かったようです。

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《呉須釉円陶硯》(1956年)は、呉須の発色もみごとでありながら円形のバランスにも優れ、手元に置きたくなるような愛らしさがあります。

そしてもう一つご紹介したいものが煙草具の一式です。愛煙家であった河井は、煙草入れや灰落としなどの煙草具も手がけました。

灰落としには、煙草を置くための溝がほどこされ、灰の落としやすさと舞い散りを防ぐための配慮がなされています。愛煙家ならではのこだわりが随所にあふれる一式です。本作のほかにも、辰砂や黄釉、黒釉などの釉薬を用いた煙草具を15年以上にわたって制作しました。

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《煙草具一式》(1950年頃)

また、戦後には真鍮を素材とするキセルをみずからデザインし、愛用していたことも知られています。バラエティに富んだデザインのキセルは河井寬次郎記念館に所蔵されています。

実際に目にすると、きっと手に取ってみたくなりますよ。

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展覧会

河井展ご紹介その7 くらしを彩るうつわ

秋も深まり、庭園の木々も日ごとに色づきを増しております。

さて、本日は展覧会のご紹介第7弾です。

河井が民藝運動にとりわけ傾注していたのは、1927年前後から1940年頃とみられます。このころ、用の美をもとめ簡素でありながらも温もりのあるうつわを数多く手がけました。

アサヒビール初代社長・山本爲三郎と交流をもった河井は、三國荘や山本家のために大小さまざまな生活陶を制作しています。(三國荘についてはご紹介の第6弾「三國荘の理想のくらし」をご覧ください!https://www.asahibeer-oyamazaki.com/blog/2020/10/post-43049.html

よく使いこまれた《青磁釉筒描花文湯呑碗》(1930年頃)は、山本爲三郎が湯呑碗として日々愛用していたといいます。流れるような小花と葛の文様と、青磁釉が魅力的な一点ものの佳品です。

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《青磁釉筒描笹文皿》(1935年頃)は、筒描で洒脱に笹文がほどこされた小ぶりなお皿で5枚の組物です。かつてはどのように使われていたのでしょうか。ちょっとした和え物にも使いやすそうですね。20201114_青磁釉筒描笹文皿.jpg

《呉須釉珈琲碗》(1934年)は、呉須の青が艶めく、カップ&ソーサ―です。このころはまだコーヒーが一般家庭に浸透する前。このうつわで当時まだめずらしかったコーヒーが味わわれていたのでしょう。ハイカラな香りがしますね。201114_呉須釉珈琲碗.jpg

こうした組物が多くのこされているのは、山本コレクションの特色ともいえます。三國荘で食卓を囲み、語り合った民藝の同人たちの姿が偲ばれます。

山手館では、食卓で活躍した河井のうつわをより身近に感じてご覧いただけるような展示を試みています。ご来館の際には、どのようなお料理ととり合わせたいか、思いをめぐらせながらお楽しみいただければ幸いです。

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