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展覧会

藤田展講演会を開催しました

現在開催中の企画展「藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに」の関連企画として、本日(2024年1月28日)講演会を開催しました。
兵庫県立美術館館長であり、長年に渡り藤田研究を続ける林洋子氏を講師にお迎えし、「藤田嗣治 暮らしのなかの私的な創作―手紙、手しごと、室内を手がかりに」と題して、5人の妻との暮らしから、それぞれの女性に受けた影響や、私的に制作した作品の世界について幅広く解説していただきました。
藤田の作品制作に欠かせない妻たちの存在は、とても偉大なものだったようです。


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企画展会場でも、共に過ごした妻とのエピソードや関連する作品を、時代の変遷とともにご紹介しています。是非美術館でご鑑賞ください。

藤田嗣治展は2024年2月25日(日)まで開催中です。
会期後半は混み合う可能性がありますので、ゆっくりご覧になりたい場合は、お早めにお越しいただくか、平日のご来館もご検討ください。
会期中は月曜日も開館しています。
※会期中の休館は2024年2月13日(火)のみ

皆様のお越しをお待ち申し上げております。

(OT)



展覧会

藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに ご紹介その3

現在、企画展「藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに」を開催中ですが、本日は展示室のようすをご紹介します。

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今回は、「夢の箱」(山手館)に展示している書簡にスポットを当てていきます。
小中学校時代の親友に宛てた葉書や、藤田の最初のパートナーである鴇田とみに宛てた手紙にはイラストが描かれ、受け取った人が楽しんで読めるようになっています。

なかでも、第二次世界大戦の勃発前から終戦のころにかけて画家・猪熊弦一郎に宛てた手紙には、藤田の優しさやユーモアがあふれています。

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猪熊弦一郎宛の書簡(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵)


藤田は猪熊のことを「弦ちゃん」と呼び、家族ぐるみで親交がありました。
腎臓を患い闘病生活を送る猪熊を励ますため、藤田は絵入りの手紙を何度も送ります。

「キットなほるぞ 負けるな、おれがついてるぞ」
「ゆっくりやれ 神様は救けてくれる」

藤田の優しさが手紙からにじみ出ています。文章に添えられたコミカルな絵からも、猪熊は元気をもらったことでしょう。

企画展「藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに」は、2月25日(日)まで開催中です。
会期中は月曜日も開館しています。
会期後半は混雑が予想されますので、お早めのご来館をおすすめいたします。

みなさまのお越しをお待ちしております。


(TH)

展覧会

藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに展 ご紹介その2

引きつづき、開催中の企画展のようすをお届けします。

今回と次回にかけてご紹介する山手館展示室では、藤田が親しい人々に宛てた手紙や、絵画、写真などとともに、波乱万丈な人生を辿っていきます。

展示された手紙や手しごと、資料からは、その時々に藤田が何に興味をもっていたのかが浮かび上がってきます。
なかでも、展示室で独自の存在感を放つのはこちらです。


中南米.jpgのサムネイル画像中南米旅行での蒐集品(公益財団法人 平野政吉美術財団蔵

吾が画室1.jpgのサムネイル画像

左:『吾が画室』(1936年、公益財団法人 平野政吉美術財団蔵


1931年にフランスから中南米に旅立った藤田は、こうした現地の人々の手しごとによる品を持ち帰りました。
隣に並ぶ《吾が画室》には、それらが東京・高田馬場のアトリエに飾られていた様子が描かれています。どの品が描かれているのか、探しながら鑑賞するのも面白いかもしれませんね。


2月25日までの藤田嗣治展は、会期中月曜日も開館しています。
会期後半は混雑が予想されるので、お早めにお越しください。
皆さまのご来館をお待ちしております。

(TM)