スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
「櫛・かんざしとおしゃれ展」講演会
大寒を迎え、冷え込みがひときわ厳しくなって参りました。
本日は、現在開催しております「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵 櫛・かんざしとおしゃれ展」の関連イベントといたしまして、ポーラ文化研究所シニア研究員の村田孝子氏に「黒髪の美しさと櫛・かんざしの世界」と題したご講演をいただきました。
本講演では、浮世絵に描かれた女性の姿を中心に、江戸時代のおしゃれについてお話をいただきました。
江戸時代のファッションリーダーは「遊女」であり、彼女らの髪型を一般女性がこぞって真似をしたということです。
遊女の中でも、江戸の遊女は沢山のかんざしを放射状に刺し、関西の遊女は地面と平行になるようにさす傾向があるそうです。浮世絵のように12~16本ものかんざしをさすと、その重さは6kgにもなるとのこと。「おしゃれは我慢」とは言いますが、遊女の美しさの裏には相当な忍耐があったのでしょう。
また、江戸時代の女性が欲しがった3つのアイテム「一櫛二帯三小袖」の「櫛」とは鼈甲櫛のことだそう。本展にも多く展示されている鼈甲櫛は高級品であり、女性たちのあこがれだったことが分かります。
質疑応答の時間には多くのお客様から質問が挙がり、櫛・かんざしへのときめきに溢れたひとときとなりました。![]()
ご好評をいただいております「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵 櫛・かんざしとおしゃれ展」は2月24日(日)まで開催しております。
皆様のご来館をお待ちしております!
(K)
「櫛・かんざしとおしゃれ展」ご紹介 その2
本日は大変ご好評をいただいております、「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵 櫛・かんざしとおしゃれ展」から、浮世絵作品についてのご紹介をいたします。
櫛・かんざしを身に着ける女性を描いた浮世絵を通して当時のおしゃれの様相をご覧いただけるのも、本展の見どころとなっております。
本展の浮世絵作品の大部分を占める《当勢三十二想》は、一鶯斎国周による美人画の連作です。
前期展示期間(12/15から1/27)にあたる現在は、この内「風がほし想」「帰しとも無さ想」など15点を展示しています。
《当勢三十二想 風がほし想》に描かれた女性は、着物の袖をまくり、襟元を緩め、その肌をあらわにしています。扇を手にして涼を求める姿はまさに「風が欲しそう」。
彼女の美しい黒髪に、赤い飾りの玉かんざしが映えています。
江戸時代の女性たちは、服装や装飾品の制約の中、アクセサリーである櫛・かんざしに個性を求めました。おしゃれを通して自己を表現しようとする気持ちは、現代の私たちにも通ずるものがあるのではないでしょうか。
《当勢三十二想 風がほし想》を含む前期展示33点の浮世絵は1月27日(日)までの展示となっております。
(1月29日以降も浮世絵の展示はございます。後期展示の内容となります)
皆さまのご来館をお待ちしております。
(K)
「櫛・かんざしとおしゃれ展」ご紹介 その1
あけましておめでとうございます。
旧年中は当館の活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
本日は大変ご好評をいただいております、「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵 櫛・かんざしとおしゃれ展」から「新春」の櫛・かんざしについてご紹介いたします。
展示室1の大きな展示ケースでは、かるたの札が描かれた《歌留多文様蒔絵鼈甲櫛》、伊勢海老を大胆に配した《正月飾り金銀びらびら簪》など、新春らしい華やかな櫛・かんざしを紹介しています。
松竹梅や鶴などの吉祥文様は、おめでたい絵柄として新春に似つかわしいものでした。吉祥文様の中でも、初夢に出てくると縁起が良いとされる「一富士二鷹三茄子」は新春を代表する意匠と言えるでしょう。
《一富士二鷹三なすび図金属櫛・笄》には堂々たる富士山を背景に2羽の鷹が羽ばたき、うねる茎の先には茄子の実が見えます。茄子を櫛の模様にするのは私たちの感覚では少し不思議に思いますが、女性が日ごろ身に着けるアクセサリーである櫛に、人々が愛した絵柄を描くのは、自然なことだったのかもしれません。
素敵な今年の始まりに、雅やかな櫛・かんざし、華やかな浮世絵をご覧になってはいかがでしょうか。みなさまのご来館をお待ちしております。
(K)

