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建築

企画展「こわくて、たのしいスイスの絵本」 1万人目のお客様

企画展「こわくて、たのしいスイスの絵本」は、本日1万人目のお客様をお迎えしました。記念すべき1万人目のお客様は、大阪府からお越しのご夫婦です。

昨年の秋に開催しておりました、開館25周年記念「和巧絶佳展令和時代の超工芸」の際にもご来館いただき、本館の非日常的な雰囲気を特に気に入ってくださっていたとのことです。

今回の企画展では、本館の類まれな雰囲気を生かしつつ、絵本作品の世界観に合わせた展示空間でお客様をお迎えしておりますので、以前ご来館いただいたことのある方もまた新鮮な感覚で館内の意匠をご高覧いただけるかと思います。

作品とともに、テーマごとに設えられた展示空間もお楽しみいただけますと幸いです。

brog1.jpg   本館2階のテラスと赤く染まった山紅葉を背景に記念撮影

brog2.jpg   館長より記念品の贈呈です

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たくさんの方にご来館いただきまして、心より感謝いたします。
企画展「こわくて、たのしいスイスの絵本」は12月25日(日)まで開催中です。
庭園の木々も美しく色づきつつあり、まもなく見頃を迎えます。
皆様のご来館、心よりお待ちしております。

(SU)

建築

ブログで大山崎山荘ツアー⑧展示室1(旧食堂とテラス)

緊急事態宣言期間中、美術館は休館いたします。
(開館に関する最新情報はホームページ内ニュース欄に掲載いたします)

外出自粛が続く中、ご自宅でも美術館の雰囲気をお楽しみいただけるように、「ブログで大山崎山荘ツアー」を再開します。
過去の記事はこちらからご覧ください。

今回は第8回目として、美術館本館の「展示室1」をご紹介します。

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この部屋は、加賀正太郎が暮らしていた今から100年ほど前には、ダイニングルーム(食堂)として使用されていました。
部屋の中で存在感を放つ太い柱は、カンナなどで削った後にわざと風化させて独特の風合いを作り出しています。加賀正太郎の細部へのこだわりが見て取れますね。

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その横には作り付けのソファーがあります。当時、床はフローリングで、ソファーの間には炉が切られていました。

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窓にはカットグラスが使われています。晴れた日の午後には太陽光がプリズムの原理で七色に分解されて、小さな虹色の光が床いっぱいに広がります。

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ガラス扉から、テラスへと出ることができます。

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当時は池の石を渡って、茶室彩月庵へ行くことができました。

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また、右手奥、現在山手館が建っている辺りには、当時大規模な温室がありました。加賀正太郎は、この温室で当時珍しかった洋蘭の栽培に着手し、当時一万鉢近い蘭を育成していました。この温室からは世界的新種も生み出され、昭和初期の頃には、大山崎山荘は日本における洋蘭栽培の聖地として知られていました。今も残る通路は、温室へとつながっていたものです。

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加賀正太郎は30年ほどをかけて蘭の栽培に尽力しました。その中で生み出された蘭の姿を後世に残すため、「蘭花譜」という植物図譜を作成しました。浮世絵の技法でもある木版画を中心に作られたこの図譜は、学術的にも美術的にも優れた図譜として知られています。
蘭花譜

こちらの池には今朝、今年一番の睡蓮の花が開花しました!

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まだ2輪だけの開花です。

睡蓮の花の盛りには、みなさまをお迎えできるようになりますように。

今日は、赤い星の部分をご紹介しました。

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次回は本館2階をご紹介したいと思います。お楽しみに!

*美術館の昔の写真など、詳しくは「アサヒビール大山崎山荘美術館 ガイドブック」に掲載されています。ミュージアムショップで販売しておりますので、ご来館の際にご覧いただければ幸いです。

*作品・建築物保護のため、開館中に館内の撮影はできません。ご了承ください。

IK

建築

ブログで大山崎山荘ツアー⑦山本記念展示室(居間)

さわやかな秋晴れで、連休がスタートしました。
美術館も少しずつ賑わいを見せています。

今日は、ブログで大山崎山荘ツアー⑦として、美術館本館・山本記念展示室のご紹介です。
大山崎山荘時代には居間として使用されていました。

現在は企画展「生誕130年 河井寬次郎展-山本為三郎コレクション」を開催中で、山本記念展示室には戦後の河井寬次郎の作品が展示されています。
作品につきましては、ブログ「河井展ご紹介」の連載でご紹介しています。そちらも合わせてお読みください。

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この部屋には特に大山崎山荘をデザインした加賀正太郎のこだわりが詰まっています。

まずは部屋の中央にある、暖炉のあたりから見ていきましょう。

暖炉の装飾には、画像石(中国後漢時代に墳墓の装飾に使われた、彫刻が施された石)が使われています。
それを支える2本の柱は画像磚(同様の煉瓦の一種)です。

今から1800年以上前のものが室内の飾りとして使用されていることに驚きです。

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暖炉や天井には、乙訓名産のタケノコ模様のレリーフが彫られています。

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暖炉の足元の囲いには、リスがあしらわれています。

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暖炉の向かい合わせには、夕焼けのように美しい、ステンドグラスの窓があります。

赤を美しく見せるため硝子には金が練り込まれており、表と裏では、見える色や印象が異なります。

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壁には魚を捕る漁網が実際に塗りこめられ、模様になっています。

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このほかにも、様々な意匠がちりばめられています。

美術館のホームページでも、意匠をご紹介していますので、合わせてごらんください。

https://www.asahibeer-oyamazaki.com/design/


ご来館の際には、加賀正太郎のこだわりのデザインを探しながら、お楽しみください。

今日は赤い星の部屋をご紹介しました。

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次回は食堂として使われていた「展示室1」をご紹介したいと思います。

お楽しみに!



*美術館の昔の写真など、詳しくは「アサヒビール大山崎山荘美術館 ガイドブック」に掲載されています。ミュージアムショップで販売しておりますので、ご来館の際にご覧いただければ幸いです。


*お客さまの安全と、作品保護の観点から、館内の撮影はご遠慮いただいております。ご了承ください。




IK