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中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その3

現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中ですが、本日は「夢の箱」(山手館)の展示をご紹介します。

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《三彩駱駝(さんさいらくだ)》 愛知県陶磁美術館蔵


中国では今から2000年以上前の漢時代、緑や褐色の釉薬をかけたやきものが生まれました。さらに唐の時代になると、緑や褐色、藍色など複数の釉薬をかけて焼かれた「唐三彩」が誕生します。唐三彩は、河南省の「鞏義窯(きょうぎよう)」を中心に、650年から750年頃にかけて生産されました。

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《三彩鍑(さんさいふく)》 愛知県陶磁美術館蔵


口が広く開いた壺に、獣のような足が3本ついています。このような形の器は、「鍑」または「三足炉」とよばれています。胴の部分にかけられた藍色と褐色の釉薬と白い地の部分のコントラストが鮮やかで美しいこの作品は、日用品として使われていた器ではありません。

唐三彩の多くは、貴族の墓へおさめるための明器(めいき)として生産されていました。そのため、8世紀半ばを境に絢爛豪華な墓葬が急速に衰退し、墓室も簡素化されたことで、唐三彩の生産は減少していきます。

華やかで芸術的な美しさを重視した貴重な唐三彩を、ぜひご覧ください。

企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。


(TH)

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中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その2

現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中ですが、本日はこちらの展示室のようすをご紹介します。

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三国時代から隋時代に作られたやきものを展示していますが、この時代の大きな特徴は「釉薬(ゆうやく)」です。「うわぐすり」とも呼ばれますが、中国南方の華南地域では鉄分を含んだ釉薬をかけて焼くことで青みがかった色に仕上がる「青磁」が作られるようになり、北方の華北地域にも影響します。

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《青磁鶏舎(せいじけいしゃ)》 愛知県陶磁美術館蔵

鳥小屋の中からニワトリが顔を出しているこの作品は、西晋時代(3~4世紀)に作られたものです。まだ初期の青磁なので、一般的にイメージされる青みとは異なりますが、独特の風合いがあります。屋根にはくぼみが付けられており、瓦ぶきだったことがわかります。
華北地域で作られるようになった初期の「白磁」も展示していますので、色の違いを見比べてみてください。

企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。

みなさまのお越しをお待ちしております。


(TH)

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中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その1

現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中です。本日は、山本記念展示室のようすをご紹介します。

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入って右手には、中国の新石器時代から初期王朝時代のやきものと玉器(美しい石で作られた工芸品)を展示しています。今から7000年も前の貴重なやきものも、ご覧いただけます。

反対側の展示ケースには、戦国時代から漢時代に作られたやきものを並べています。部屋のかべの中央にある暖炉に組み込まれた画像石・画像磚(がぞうせん)とちょうど同じ時代に作られたものです。
その中から、こちらの作品をご紹介します。

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《緑釉爐(りょくゆうろ)》 愛知県陶磁美術館蔵


後漢時代(1~2世紀)に作られたもので、亡くなった権力者が死後の世界で生活に困らないようにと、お墓に納められていました。
「いろり」という意味を持つ「爐」は、現在のバーベキューコンロのようなものです。串に刺さった食材を焼いているようすがあらわされているのですが、よく見ると焼かれているのは、夏にお馴染みのあの昆虫でした。特に目の部分は本物そっくりですが、おわかりいただけますでしょうか?

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答えは、美術館の展示室にてご確認ください。みなさまのお越しをお待ちしております。

企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。


(TH)