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中国やきもの7000年の旅 開幕
企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」が本日6月1日より開幕しました。
7000年に及ぶ中国陶磁の歴史をご紹介する本展では、展示作品の特徴を捉えたユニークなキャッチフレーズをキャプションパネルに表示しています。作品鑑賞の際は、キャプションパネルにもご注目ください。本展にご協力いただいた愛知県陶磁美術館よりお借りした《三彩駱駝》も無事に当館に到着。
長旅の疲れも見せず、展示室では天を仰ぎ見ていなないています!また、本展ではフォトスポットを3か所ご用意。
本館入り口手前にある流水門、橡の木茶屋、そして本館入り口横に設置しています。
庭園の新緑を背景に、ご来館の思い出として撮影をお楽しみください。
「中国やきもの7000年の旅」は、2024年9月1日(日)まで開催します。
皆様のお越しをお待ち申し上げております。
(OT)
男たちの情熱のゆくえー加賀とニッカと山荘と:その4
加賀からニッカを託された山本爲三郎は、竹鶴と以前から親交がありました。1952年6月に芝川が山本に送った手紙には、竹鶴も「株式買受名義人が朝日ビール会社であれば差支えない」と言っていると記されています。
加賀からニッカを託された山本は、文化活動の庇護者でもありました。民藝運動を生涯支えつづけた山本のコレクションは、ここアサヒグループ大山崎山荘美術館に収蔵されています。
加賀家の手を離れたのち、山荘を取り壊して大規模マンションを建設する計画が浮上した際、京都府から協力を求められたアサヒビール株式会社は、山荘を美術館として再生することにしました。加賀と山本、ニッカとアサヒ、歴史を紡ぐ糸が今の山荘に繋がっていることに感慨深さを感じます。
「加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念 蘭花譜と大山崎山荘 ―大大阪時代を生きた男の情熱」会期は5月12日まで。どうぞお見逃しなく!
(おわり)
男たちの情熱のゆくえー加賀とニッカと山荘と:その3
加賀は病をおして、資本提携のため朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス株式会社)社長・山本爲三郎へのニッカ株式譲渡を画策し、実現します。1954年7月9日、山本、加賀、芝川の三者により、株式譲渡の覚書が交わされ、さらに8月3日にはニッカ株を互いの了解なく売却しない旨の契約書も結ばれました。その5日後の8月8日、加賀は息を引き取ります。
趣味人として知られている加賀ですが、のこされた資料から、経済人として辣腕をふるっていたこと、亡くなる直前までニッカの行く末を案じていたことも分かりました。
1954年8月13日に山荘で営まれた加賀の告別式の案内は、加賀証券とニッカの連名で出され、三回忌の年にあたる1956年5月1日には、加賀をしのぶ園遊会がニッカにより山荘で開かれました。案内の文面には「氏がニッカウヰスキーに垂れられた厚き御高庇と愛情を今更深く感謝して」と記されています。
(4に続く)