展覧会
つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その5
現在、企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」を開催中です。
本日はこの企画展最後のペアにあたる、エセル・メーレと濱田庄司をご紹介します。
1872年にイギリスで生まれたメーレは美術学校を卒業した後、美術教師や家庭教師をしていましたが、結婚を機にスリランカに滞在し、現地の刺繍などを調査・研究しました。帰国後に染織工房を開設し、1916年には草木染の技法書を出版します。
彼女の作った織物は、バーナード・リーチとともにイギリスにわたっていた濱田庄司の目にとまります。1921年に濱田がメーレの工房を訪れたことで、ふたりの交流が始まりました。
メーレの工房はイギリス南部のディッチリングという小さな村にあり、工芸家たちが生活をしながら制作活動を行っていました。濱田は感銘を受け、「仕事にも生活にも信念がはっきり出ていて、そして落ち着きがある」と語っています。
メーレは濱田から「手織りの母」と称され、日本でも紹介されるようになります。1920年代にメーレの展覧会が開催された際には、山本爲三郎が自身の娘のために上着を購入しており、それはのちに当館のコレクションになりました。
企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)