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スタッフブログ

アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。

展覧会

つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その4

現在、企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」を開催中です。
本日は前回ご紹介した棟方志功と同じく、河井寬次郎との出会いによって民藝運動に参加した黒田辰秋と青田五良をご紹介します。

黒田は京都の漆塗りを営む家に生まれ、木工や漆工の技術を独学で学びました。河井は、若くして木漆工芸の一貫制作を志す黒田に共感し、自宅に招いて親睦を深めます。
一方、同志社中学校の教師だった青田は、河井の作品に感銘を受け、河井をとおして知り合った柳宗悦の長男(柳宗理)の家庭教師を任されます。青田は、衰退の一途であった日本の植物染料の技法を独自に研究しました。

黒田と青田は、柳の提案した上加茂民藝協団の設立に参画し、共同生活を送りながら制作に打ち込みました。上加茂民藝協団が手がけた家具などの工芸品は、1928年に東京・上野で開催された「大礼記念国産振興東京博覧会」のパビリオン「民藝館」に並べられました。

黒田と青田の作品は、「夢の箱」(山手館)に展示しています。「民藝館」のために作られた作品も展示中ですので、ぜひご覧ください。

DSC04780.JPG青田五良《紬クッション》 1928年頃



DSC04313.JPG青田五良《裂織敷物》 1930年頃



企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。


(TH)

季節の庭園

「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」1万人目のお客様

現在開催中の企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、本日1万人目にあたるお客様をお迎えしました。

京都市内よりお越しの素敵な母娘のお客さまです。
美術館の近くにある重要文化財「聴竹居」(予約制)の見学の後にお立ち寄りくださいました。
雨上がりのひととき、スイレンとアイリスが見ごろを迎えた池を背景に、記念品の贈呈と記念撮影を行いました。
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最近福岡から京都に移住されたお母さまからは、「引っ越してきてよかった!」とお喜びの声をいただきました。

企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)までの開催です。
「地中の宝石箱」(地中館)南側の庭園池の周りでは、ハンゲショウやアジサイも色づいてきています。企画展とともに、この時期ならではの庭園の景色をご堪能下さい。
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(IK)

展覧会

つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その3

現在、企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」を開催中です。
本日は5組目のペア、棟方志功と河井寬次郎についてご紹介します。

ゴッホの《ひまわり》に感銘を受けた棟方は、画家を志して青森から上京しますが、油彩画に限界を感じ版画に転向します。棟方は、国画会に出品した自身の巨大な版画が、開館を控えた日本民藝館に買い上げられたことがきっかけで、民藝運動との関わりを深めていきます。

民藝運動の中心人物である河井が、京都の自宅に棟方を連れて帰り仏教の手ほどきをしたことは、その後の棟方の作品に大きな影響を与えました。河井は棟方に対して「すごいぞ青年」と褒め称えたというエピソードも残っており、情に厚い河井の人柄もうかがい知ることができます。

現在、「夢の箱」(山手館)に展示している《華厳譜(けごんぷ)》は、棟方が宗教的な主題にとり組んだ初めての作品です。棟方が師と仰いだ河井の作品とともにお楽しみください。

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河井寬次郎《三色打釉手壺》 1961年


企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。


(TH)