スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
コレクション 春 ―所蔵作品による名品展 ご紹介その4
本日は、現在開催中の「コレクション 春 ―所蔵作品による名品展」についてご紹介します。
本館2階には、エセル・メレと濱田庄司の作品を展示しています。
メレは20世紀初頭に染織作家、天然染料染色家としての地位を確立した女性です。彼女は、産業革命のあと伝統的な手仕事が滅びていくことに危機感をおぼえ、染織技術を後世に残すことに尽力しました。
1920年代、イギリス南部の工芸家村ディッチリングに住んでいる彼女を、バーナード・リーチとともに訪ねた濱田は、彼女のことを「草木染と手織りの母」と記しています。
自分の結婚式に際して、メレが手織りしたツイードのスーツを着たことからも、濱田がメレの作品だけでなく、彼女の生きかたに共感していた様子がうかがえます。
「コレクション 春 ―所蔵作品による名品展」は、7月3日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)
きょうの庭園情報 2022年6月2日
きょうの庭園の様子をお伝えします。
タイサンボクの花が開花しています。
レストハウスと美術館の門の間にある小道道沿いには、タイサンボクの大きな木が生えています。見上げると...大きな大きな木の上に、大きな白い花がいくつも開いているのを見つけることができます。
葉の色も多様で、とても美しい木です。
下からしか見えないので花の形が分かりにくいですが、特別に脚立で撮影しました!
やわらかな曲線が魅力的な花です。
背の高い木ですので、見上げないと気がつかない場所にありますが、ご来館の際はぜひ、探してみてくださいね。
また、庭園の池周辺では睡蓮と共に、様々なお花が見頃です。
イエローアイリス
キンシバイ
アジサイも、だんだんと咲き始めています。
企画展「コレクション 春 -所蔵作品による名品展」も残すところあと一カ月ほどとなりました。
地中館ではモネの描いた《アイリス》《睡蓮》も展示中です。
作品と、庭園の風景を合わせてお楽しみいただける、最高の季節がやってきました。
みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
〈IK〉
コレクション 春 ―所蔵作品による名品展 ご紹介その3
本日は、現在開催中の「コレクション 春 ー所蔵作品による名品展」についてご紹介します。
「水をめぐる情景」がテーマになっている地中の宝石箱(地中館)では、作品と展示室全体がひとつの空間になっています。まるで自然に囲まれた建物の中から、外の景色を眺めているようです。
その中から1点ご紹介します。
ポール・シニャック《ヴェネツィア》 (1908年)
建築家を志していたポール・シニャックは、モネの作品に感銘を受けて画家を目指します。スーラと出会い、彼の科学的な点描技法を採用しますが、スーラの死後、点描から方形のモザイクのような筆触に変わり、また色同士が重なることを避けるため白い隙間をあける方法を取り入れ、装飾性のある独自の作風を確立させます。
シニャックはヨットを自分で操縦して各地を旅し、数々の風景画を残しました。
ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を運河からとらえた本作は、晴れた空が水面に映り、たわんだ帆の様子からさわやかで心地のよい風を感じます。
「コレクション 春 ―所蔵作品による名品展」は、7月3日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)