スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その3
現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中ですが、本日は「夢の箱」(山手館)の展示をご紹介します。
《三彩駱駝(さんさいらくだ)》 愛知県陶磁美術館蔵
中国では今から2000年以上前の漢時代、緑や褐色の釉薬をかけたやきものが生まれました。さらに唐の時代になると、緑や褐色、藍色など複数の釉薬をかけて焼かれた「唐三彩」が誕生します。唐三彩は、河南省の「鞏義窯(きょうぎよう)」を中心に、650年から750年頃にかけて生産されました。
《三彩鍑(さんさいふく)》 愛知県陶磁美術館蔵
口が広く開いた壺に、獣のような足が3本ついています。このような形の器は、「鍑」または「三足炉」とよばれています。胴の部分にかけられた藍色と褐色の釉薬と白い地の部分のコントラストが鮮やかで美しいこの作品は、日用品として使われていた器ではありません。
唐三彩の多くは、貴族の墓へおさめるための明器(めいき)として生産されていました。そのため、8世紀半ばを境に絢爛豪華な墓葬が急速に衰退し、墓室も簡素化されたことで、唐三彩の生産は減少していきます。
華やかで芸術的な美しさを重視した貴重な唐三彩を、ぜひご覧ください。
企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)
「中国伝統楽器コンサート」 開催しました
開催中の企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」の関連企画として、2024年7月6日(土)に「中国伝統楽器コンサート」を開催しました。
二胡奏者の韓 秋月氏をお迎えしたこのコンサートは、二胡の名曲から日本の楽曲まで、さまざまな曲を取り混ぜて演奏していただきました。コンサートで演奏いただいた曲は以下の通りです。
1.SUMMER ※映画「菊次郎の夏」テーマ曲
2.江河水 ※二胡の名曲。古代女子が自分の運命を訴える抒情曲。三部構成
3.悠久の一乗谷 ※葉加瀬太郎氏作曲。福井県福井市「一乗谷朝倉氏遺跡」をイメージした楽曲
4.ラストエンペラー ※映画「ラストエンペラー」テーマ曲
5.枉凝眉 ※中国四大名著「紅楼夢」ドラマテーマ曲。清時代の中国貴族に生まれた男女の恋物語
6.メドレー
①シルクロード ※NHK特集「シルクロード」テーマ曲
②ひまわり ※映画「ひまわり」テーマ曲
③チョネジア ※韓国ドラマ「トンイ」テーマ曲
④東京ブギウギ ※NHK連続テレビ小説「ブギウギ」より
コンサートにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
「中国やきもの7000年の旅」は9月1日(日)まで開催しています。
詳細はこちら
(OT)
中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その2
現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中ですが、本日はこちらの展示室のようすをご紹介します。
三国時代から隋時代に作られたやきものを展示していますが、この時代の大きな特徴は「釉薬(ゆうやく)」です。「うわぐすり」とも呼ばれますが、中国南方の華南地域では鉄分を含んだ釉薬をかけて焼くことで青みがかった色に仕上がる「青磁」が作られるようになり、北方の華北地域にも影響します。
《青磁鶏舎(せいじけいしゃ)》 愛知県陶磁美術館蔵
鳥小屋の中からニワトリが顔を出しているこの作品は、西晋時代(3~4世紀)に作られたものです。まだ初期の青磁なので、一般的にイメージされる青みとは異なりますが、独特の風合いがあります。屋根にはくぼみが付けられており、瓦ぶきだったことがわかります。
華北地域で作られるようになった初期の「白磁」も展示していますので、色の違いを見比べてみてください。
企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)