スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
きょうの庭園情報
今日も爽やかな青空が広がります。庭園では、小さなお花が咲いてまいりました。
本館前のドウダンツツジは、この季節に鈴なりに小さな白い花を咲かせます。
秋には美しく紅葉するドウダンツツジ。春の姿も一興です。
レストハウスから本館に至るまでの流水門付近には、黄色いヤマブキが咲き始めました。
新緑の眩しいモミジは、よく見ると小さな赤い花が咲いています!
庭園をめぐる際には、この時期ならではの小さな花々も探してみてください。
おかげさまで「開館25周年記念夢をめぐるー絵画の名品より」は、開幕から3週間が過ぎました。アンケートなどでもご好評をいただき、ありがとうございます。
美術館では、検温やマスク着用、館内の定期消毒など、新型コロナウイルス感染症対策を整えて、みなさまのご来館をお待ちしております。
(IK)
きょうの庭園情報
講演会「モネの《睡蓮》とプルースト」
本日は、ただいま開催中の展覧会「開館25周年記念 夢をめぐる ―絵画の名品より」の関連イベントとして、講演会を開催いたしました。
講師に京都大学名誉教授吉川一義氏をお招きし、「モネの《睡蓮》とプルースト」と題して同時代に生きた二人にまつわるお話をいただきました。
モネとプルースト、二人をつなぐキーワードとしてモネの「連作」に焦点をあて、本展に出品中の作品を交えながらご紹介をいただきました。
モネは、本展出品作である《エトルタの朝》(1883年)のころから、同じ場所で同じ対象を何度も描くようになり、これがのちに、時とともに変化する光や色調を「連作」としてキャンバスにとらえることへと発展します。
プルーストは、モネが連作にとらえた移ろいゆく光景をことばで描いているといいます。プルーストの長編小説『失われた時を求めて』には、数多の芸術家やその作品への言及がありますが、モネについては展覧会や友人のコレクターのもとで目にしたプルースト自身の体験が昇華され、あえてその名を隠しながらみずからの小説にきらめくようなことばの数々としてとりこみました。
目に見えない時間を、キャンバスという空間を用いて可視化したモネと、小説によって可視化したプルースト。時のうつろいをめぐるふたりの表現を比較しながらご紹介いただき、お客さまからの満足度も高い講演会となりました。
本展覧会にあわせて、プルースト文学のなかに「隠された絵」をぜひ探してみてくださいね。
(M)