スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
みんなの宝物を守るために
いよいよGWですね。お出かけの予定はお決まりでしょうか。
中には、美術館をめぐって心を充電するぞ!という方も多いでしょう。
また、新緑のなかハイキングに出かけたりなども素敵ですね。
天王山ハイキングコースの途中にある当館は、ハイキングがてら立ち寄ったりもできる最高のスポットです☆
ただ・・・
館内ではリュックサックを手に持っていただくか、前に抱えていただくようにお願いをしています。
(同じような内容を以前ブログに書いていますので、「知ってるよ」という方は読み飛ばしてくださいね)
なぜなら、館内には貴重な部材、調度品、美術品がそこかしこにあり、当たると大変危険なのです。
実際、リュックサックが当たってステンドグラスが割れてしまったという事件も・・・。
同じものを探し求めたのですが見つからず、泣く泣く違う色のガラスをはめています。
館内にはこのように、現代では再現が難しい貴重なものがたくさんあります。
ほかにも、100年ほど前のウィーンからやってきた下の時計、ちょっとぶつかるだけですぐに止まってしまう、繊細なハートの持ち主なんです。
傾いたまま寂しそうに止まっていることがよくありました。
また、館内の貴重な作品にはセンサーがつけられていて、壁ドンしただけで警報が鳴ってしまいます(嘘じゃありません)。
本当はどんなバッグにも危険性はありますが、とくにリュックサックはふと存在を忘れてしまうのですよね。しかも背中にあるからどんなに小さくてもコントロールが難しいという・・・。
館内でリュックサックを背負っている方にはスタッフがお声掛けさせていただいていますが、やはり内心、ちょっと心苦しいのです。せっかくの休日、みんなで気持ちよく美術鑑賞していただきたいというのが本音です。
「でもリュックサックを手に持つのは重いよ・・・」という方はご安心ください!
この人形の家のようなレストハウスに、100円リターン式のコインロッカーがあります。ぜひご利用ください。
また、大きなお荷物は受付でお預かりすることもできます。
***
さてさて、堅苦しいお話になってしまいましたので、これからは館内の貴重なマーブルガラスをご紹介します。
部屋ごとに色が違うので、ご来館の際はぜひ注目してみてくださいね!
ご不便おかけしてしまいますが、文化財を修復・活用している、当館ならではの特殊事情をご理解いただけましたら幸いです。
これらの貴重な宝物は、私たちだけでなく、美術館を大切に思ってくださるみなさまのものです。
一緒に後世へ守り継いでいきましょう!
(A)
黄緑色の光
桜や紅葉の美しさは言うまでもないことですが、実は隠れた人気を誇るのが新緑の季節です。
なにがいいって、光の色が違うんです。
薄いライトグリーンのヴェールを透過した太陽光が、庭園だけでなく、建物の隅々にまで行きわたって、美術館全体がぱあ~っと黄緑色に染まるんです。本当ですよ。
まだ柔らかい若葉から光が透けて見えるのがわかりますか?
睡蓮池のほとりにある藤棚は、ジヴェルニーのモネの庭を思わせます。
花はあっという間に終わってしまうので、見られるチャンスは今だけです。
さて、ここから屋内の光を見てみましょう(! 館内は写真撮影できません)。
同じく睡蓮池のほとりには、安藤忠雄設計による地中館があります。
鏡のようになめらかな打ちっ放しのコンクリートが、黄緑色を映し出していますね。
時間帯によっては、天井のコンクリートに水面がゆらゆら映って、まるで水の中を歩いているような錯覚におそわれます。
本館のサンルームのレースカーテンの向こう側には、楓が広がっています。
朝の清々しい光は格別ですよ。
黄緑色の光は、屋内にも深く差し込んできて、黒い木材に映り込みます。
春は、お部屋の中にもやってくるんですね。
池の水にも容赦なく黄緑は入り込んできます。
もっと撮影が上手ければよかったのですが・・・。本物の美しさはこんなものではありません。
日々の喧騒を離れて「自分も黄緑色に染まりたい!」という方はぜひ当館へ。
ただし、鳥たちのテンションが非常に高い時期ですので、少々うるさいかもしれません。
(A)
漱石と京都展 1万人目のお客様