スタッフブログ
アサヒグループ大山崎山荘美術館のスタッフが交代で山荘の日々を綴るブログです。展覧会に関する内容や山荘のこと、四季の庭園についてなど、美術館のさまざまな情報をスタッフがご紹介します。イベントの最新情報もこちらでチェックしてください。
河井展ご紹介その8 陶硯と煙草具
本日は展覧会のご紹介第8弾です。第7弾では、食にまつわる河井のうつわをご紹介いたしました。(第7弾「くらしを彩るうつわ」https://www.asahibeer-oyamazaki.com/blog/2020/11/post-43111.html)
今回は食を離れ、くらしのなかで活躍した作品をさらにご紹介いたします。
書をたしなむ河井は、昭和初期、陶硯や水滴の制作にも力をいれました。特に陶硯は、かねてより中国や朝鮮の硯に関心を寄せていたことに加え、雑誌『工藝』の硯特集に触発されて制作に没頭したといいます。
《柿釉陶硯》(1936年頃)は、墨をたてる穴が二つあり、機能面も持ち合わせたまさに用と美が備わる作です。
三國荘では、河井の陶硯が芳名録とともに置かれていたといわれています。(三國荘について https://www.asahibeer-oyamazaki.com/blog/2020/10/post-43049.html)
戦後ふたたび、約20年ぶりに夢中になって手がけた陶硯は、従来の硯の概念にとらわれない自由な造形が目を引くものとなりました。各種手がけたなかでも、呉須や練上げの技法を用いた陶硯に会心を得るものが多かったようです。
《呉須釉円陶硯》(1956年)は、呉須の発色もみごとでありながら円形のバランスにも優れ、手元に置きたくなるような愛らしさがあります。
そしてもう一つご紹介したいものが煙草具の一式です。愛煙家であった河井は、煙草入れや灰落としなどの煙草具も手がけました。
灰落としには、煙草を置くための溝がほどこされ、灰の落としやすさと舞い散りを防ぐための配慮がなされています。愛煙家ならではのこだわりが随所にあふれる一式です。本作のほかにも、辰砂や黄釉、黒釉などの釉薬を用いた煙草具を15年以上にわたって制作しました。
《煙草具一式》(1950年頃)
また、戦後には真鍮を素材とするキセルをみずからデザインし、愛用していたことも知られています。バラエティに富んだデザインのキセルは河井寬次郎記念館に所蔵されています。
実際に目にすると、きっと手に取ってみたくなりますよ。
(M)
「1915年 夏目漱石、大山崎へ」解説ボードを設置しました
今日から開館です
あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
年末・年始のお休みをいただいておりましたが、本日1月5日(火)より開館いたします。
本日より、検温の方法が変わりました。
これまでは、ご来館の際にレストハウスにお立ち寄りいただき、スタッフによる検温を行っておりましたが、本館受付横に検温サーマルカメラを設置いたしました。
モニターの縁の中に顔を映すと、自動で検温されます。
ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
また、連絡先のご記入は、館内に記入場所を2か所設置いたしました。
記入後は、館内のスタッフにお渡しください。
受付や監視など、館内のスタッフであればどこでお渡しいただいても結構です。
本年も、みなさまに安心して美術館での時間を過ごしていただけるよう、取り組んでまいります。
ご来館を心よりお待ちしております。
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