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濱田庄司展のご紹介
本日は、現在開催中の企画展「没後40年 濱田庄司展 ―山本爲三郎コレクションより」について、本館2階展示室3に展示中の濱田が沖縄の影響を強く受けた作品をご紹介させていただきます。
陶器の伝統が生きた田舎での暮らしを望んだ濱田は益子での生活と並行して、沖縄にも足しげく通いました。
当時の沖縄は閑静な丘陵地で、周りには一面のサトウキビ畑が広がっており、濱田のトレードマークとなる黍文はここから生まれたといわれております。
なかでも本展示室にて展示中の沖縄の伝統的な陶器に濱田の赤絵が施された「琉球赤絵丸文抱瓶」などは他では類を見ないような大変珍しい作品です。
濱田は自身の作陶を「京都で道を見つけ、イギリスではじまり、沖縄で学び、益子で育った」とふりかえっています。
その言葉が示すように、濱田は各地域で培われた豊富な知識と技術、そしてその土地特有の素材によって多くの佳作を残しました。
なお、同じ本館2階には喫茶室もあり、テラス席から眺めるお庭の桜が見ごろとなりつつあります。
テラスには本館でしかご覧いただけない常設展示の濱田庄司《流描組タイル》(1962年)のほか、喫茶室では河井寬次郎《筒描花喰鳥文額皿》(1952年頃)などもご覧いただけます。
春本番、桜と合わせて、ぜひ民藝の奥深い世界もお楽しみください♪
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濱田庄司展のご紹介
花冷えをものともせず、当館のお庭のシダレザクラは日ごとに開いて春の訪れを知らせてくれています。
さて本日は、現在開催中の企画展「没後40年 濱田庄司展ー山本爲三郎コレクションより」について「夢の箱」(山手館)に展示中の作品をご紹介させていただきます。
本展示室では、飾り鉢のような大型の作品から小さな箸置きにいたるまで
濱田の多様性にとんだ作品群を展示しております。
作陶する土地固有の素材にこだわった濱田は、各地で身につけた豊富な知識と技法を背景に終生作陶の地として選んだ栃木県益子の土と釉薬を駆使して、
柔らかく洗練された作品を生み出しました。
益子の伝統釉である柿釉や、ドイツの古釉に由来する塩釉などの多様性にとんだ作品群からは、これらを日常の中で愛玩しコレクションした山本の
濱田の制作に対する深い理解がうかがい知ることができます。
今週の土曜日(24日)は、14:00~よりギャラリートークを行います。
国内外で活躍した濱田の作品と、その活動を支えた山本の存在について
本展覧会の見どころをより詳しく解説いたしますので、この機会にぜひご来館ください!
*なお、ギャラリートークは無料ですが、入館料が別途必要です。
( U )
濱田庄司展 スリップウェア風ケーキのご紹介
本日は現在開催中の
企画展「没後40年 濱田庄司展 ―山本爲三郎コレクションより」について
当館でしか楽しめないカフェ企画をあわせてご紹介します。
本展覧会はアサヒビール初代社長 山本爲三郎のコレクションを中心に
濱田の初期から晩年までの作品を、貴重な資料なども交えて一挙に公開するものです。
濱田は京都市陶磁器試験場において多くの釉薬研究を行ったのち
1920年、イギリスに渡りスリップウェアという陶器を見出し
これに着想を得た、力強く、味わい豊かな作品を多く残しました。
スリップウェアとはうつわの素地をクリーム状の化粧土(スリップ)で装飾して焼成した陶器のことで、スリップをスポイトなどに仕込み、口から流しだして模様を描き出します。
18世紀から19世紀頃のイギリスで隆盛しました。
また、当館の喫茶室では毎回開催中の展覧会にちなんだ
リーガロイヤルホテル京都さんの特製オリジナルスイーツを提供し、
ご好評をいただいております。
今回のオリジナルスイーツはこのスリップウェアに着想を得たもので、2種ご用意しております!
<紅茶×レモン>
薫り高いアールグレイの茶葉を混ぜ込んで焼き上げたスポンジ生地にアールグレイの風味のクリームを挟み込んで、表面をレモンの甘酸っぱいジャムで仕上げました。
イギリスといえばやはり紅茶!控えめな甘さで大人な味に仕上がっております。
こちらは展示中の下の作品《スリップウェア格子文角鉢》(1930年頃)をイメージしております。
<チョコレート×オレンジ>
オレンジの果皮を生地に入れたガトーショコラの上に、ミルクチョコのチョコガナッシュを流し、艶出しのグラサージュショコラで仕上げました。
クリームソースでスリップウェアの模様が表現されています。
こちらも展示中の下の作品《スリップウェア小皿》(1930年頃)をイメージしています。
濱田はスリップウェアの模様だしに大変苦心したという逸話が残っております。
自身の食事の際、パンにたっぷりと塗ったブラック・ベリーのジャムの上に、
横縞に流したクリームにナイフを入れたことにより、
縞模様にツノの立ったような、いわゆる矢羽根模様の出し方に気付いたといわれております。
食べ物によって制作された作品に着想を得たスイーツ
眼だけでなく味覚でも、濱田庄司の世界をお楽しみいただければと思います♪
なお喫茶室は、大変眺めの良いテラス席もあり
こちらで常設の濱田庄司作品《流描組タイル》(1962年)も展示しております。
ぜひご来館いただき、美術館での優雅なひと時をお楽しみください!
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