スタッフブログ

お知らせ 展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その3 & 展示替のお知らせ

展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その2

展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その1

展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その3 & 展示替のお知らせ

「東山魁夷のスケッチ ―欧州の古き町にて」はおかげさまで大変ご好評をいただいております。

本日は展覧会のご紹介第3弾です!

先日の第2弾では北欧の旅をご紹介いたしました。それから7年後の1969年、東山魁夷は京都を主題にした連作や、新宮殿の壁画の制作を終え、夫人をともなってドイツ・オーストリアの旅へ出かけます。

魁夷がドイツを訪れるのは留学以来、実に36年ぶりのことです。第二次世界大戦を経たドイツの古い町の面影が今もなお残っているのか、懐かしい気持ちと同時に不安を抱えながら、再びドイツの町を訪れました。DSC05426.JPG

魁夷は、観光化された美しい町並みに限らず、小さな古い町を好み、描いて回りました。窓から漏れる灯火や、窓辺を飾る花々の描写には、単に町のすがたを描きとどめようとしていたのではなく、そこで暮らす人々の生活の温もりにも心を寄せていたことがうかがえます。DSC05424.JPG

ヨーロッパの町を取材する作品には、その地ならではの趣向の凝らされた看板とその奥にたたずむ町や、切り取るように正面からとらえた窓が印象的に描かれています。窓枠を隔てて見える景色は、魁夷が旅人として感じた疎外感が時として漂います。

魁夷が画家の目でみたヨーロッパの風景を展示室内にてどうぞお楽しみください。

最後に、展示替のお知らせです。

展覧会は期間を前期・後期に分け、資料類と本制作を除きほとんどの作品を入れ替えます。前期・後期を合わせると、約100点のスケッチ作品をご覧いただくことができます。

前期は10月27日(日)まで、残すところあと9日となりました。前期期間はおもに北欧の作品でスケッチ・習作と本制作を見比べてご鑑賞していただくことができます。ぜひお見逃しなく!

そして後期は10月29日(火)から開幕します。

魁夷の欧州の旅、引き続きお楽しみください!

皆さまのご来館をお待ちしております。

(M)

展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その2

秋風が肌に心地よい季節となりました。

本日は、展覧会「東山魁夷のスケッチ ―欧州の古き町にて」のご紹介第2弾です!

東山魁夷は、ドイツ留学から帰国したのち、戦争や肉親の死を乗り越えながら、次第に自らの画業を確立していきました。

人気作家として忙しなく制作に追われる日々を過ごすなかで、かつて写真集で見た北欧への旅を考えるようになります。そして1962年、魁夷54歳のとき、日常から離れ、大自然の静寂の中で自らを省みる時間を持ちたいとの思いからついに北欧へと旅立ちます。

20191005_hokuou.jpg

約3か月にわたって北欧の4か国、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドを巡り、北欧の自然と街をスケッチに描きとどめました。そのほとんどは帰国後の制作に結びつくこととなります。

前期期間には、デンマークで描いた「リーベの家」「倉庫」をスケッチと本制作をあわせてご覧いただくことができます。

魁夷が描写する、ふとくたくましい巨木には生命感がみなぎり、色とりどりの街並みには、異国のものを目にした驚きと疎外感が漂います。そして、水面に映りこむ情景には研ぎ澄まされた精神が感じられます。あこがれの森のなかで触れた感動が、東山芸術にさらなる幻想性をもたらしたのではないでしょうか。

魁夷の旅はまだまだ続きます。ぜひ展示室にて、その旅路をたどってみてくださいね。

皆さまのご来館をお待ちしております。

(M)

展覧会

東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その1

日増しに秋の気配が濃くなってまいりました。当館ではただいま展覧会「東山魁夷のスケッチ ―欧州の古き町にて」を開催しております。

展覧会を皆さまによりお楽しみいただくために、このブログでも東山魁夷展を数回に分けてご紹介していきます。本日はご紹介第1弾です!

風景画家としてひろく知られる東山魁夷ですが、その制作活動は様々な地を旅するなかで目にした、自然の営みにもとづきます。本展では、旅好きな魁夷の、なかでも欧州の旅に焦点をあて、その旅にまつわるスケッチ類をご覧いただける機会となっております。

展覧会は会期を前期・後期に分け、スケッチ、習作、さらにはスケッチをもとに描かれた本制作の約100点を展示いたします。(※スケッチ、習作はすべての作品を前後期で入れ替えます。)

前期 9月14日(土)‐10月27日(日)

後期 10月29日(火)‐12月1日(日)

前期・後期ともに、魁夷が心ゆくままに描きとどめた、情緒あふれる作品ばかりです。190920_kaii2.JPG

魁夷が初めて異国の地を訪れたのは、25歳、ドイツ留学のころに遡ります。東京美術学校を卒業したのち、日本画の新しい表現を求めてさまざまな芸術をその眼で確認すべく、ドイツへ旅立ちました。

貨物船に便乗した魁夷は、ドイツへ向かうまでに経由した先々でも、各地の様相をスケッチに残しています。

本館1階山本記念展示室にてご覧いただけるスエズ紀行の連作では、はじめて目にする異国の風景や人々の営みを明るい色彩で伝えてくれています。190919_kaii1.JPG

魁夷がベルリンへ到着したのは1933年、ナチスが政権を取り、ヒトラーが首相となった年でもあり、街は第二次世界大戦へ向かう不穏な空気に包まれていました。魁夷は、戦前のベルリンの様子を知る貴重な日本人のひとりでもあったのです。

勉学に励むとともに、ヨーロッパ巡遊に出かけるなど、充実した日々を過ごしていた魁夷ですが、父の病気の知らせを受け、留学期限の半ばで帰国の途につきました。

留学の終わりは不意に訪れましたが、留学の際に入手した旅行書などの資料はその後も大切に保管されていたようです。『ベデカー旅行案内書』をはじめ、魁夷と旅をともにした資料もご覧いただくことができます。

なお、山本記念展示室では、魁夷が留学中に訪れた各地にちなんだ当館所蔵のやきものを合わせてご紹介しております。青年魁夷の旅にもぜひ思いを馳せてみてくださいね。

皆さまのご来館をお待ちしております。

(M)