展覧会
蘭花譜と大山崎山荘―大大阪時代を生きた男の情熱 ご紹介その2
引き続き、現在開催中の企画展「加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念 蘭花譜と大山崎山荘―大大阪時代を生きた男の情熱」のようすをお届けします。
今回ご紹介する展示室1では、加賀正太郎が成し遂げた事績に関連する品々をご覧いただけます。
大大阪(だいおおさか)時代と呼ばれる、大阪が世界有数の大都市として栄えた時代に実業家として活躍した加賀ですが、大山崎山荘(現・美術館本館)の建設や蘭花譜の発行など自身の趣味を極める一面もありました。
そのひとつが、22歳でヨーロッパを周遊した際に果たした日本人初のユングフラウ登頂です。
アルプス山脈の一山であるユングフラウは標高4158mと富士山をしのぐ高さですが、加賀は下の写真のような装備で登山に挑みました。
(すべて市立大町山岳博物館蔵)
ドイツのミュンヘンで購入したという分厚いウール製のコート、革製の登山靴は、そのまま街を歩くことができそうな見栄えです。
往時のユングフラウ登頂には、装備の軽量化と高機能化がめざましい現在とは比べ物にならない労力が必要だったことでしょう。
左から麻ザイル、ゲートル、柳行李
(すべて市立大町山岳博物館蔵)
他にも、加賀が実際に使用していた品々が展示されています。
足の脛の部分に巻き付けるゲートルという装備はバーバリー製のもので、何事においても本物志向であった加賀のこだわりが感じられます。
企画展「加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念 蘭花譜と大山崎山荘―大大阪時代を生きた男の情熱」は、5月12日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
(TM)