展覧会
つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その2
現在、企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」を開催中です。
本日は模様を追究した作家、富本憲吉と芹沢銈介についてご紹介します。
バーナード・リーチと「さながら仲の良い兄弟のよう」な関係だった富本は、「模様から模様を作らず」を信念に、写生にもとづく模様を生み出しました。植物や風景を何度も写生することで、形態は洗練されていきます。
富本憲吉《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》
富本が作品にあらわした模様は、型などを用いず自身の手で直接描きました。この作品はビール事業を手がけていた山本爲三郎のために作られたもので、内側だけでなく外側にもホップが描かれています。
一方、染色の分野では、芹沢が従来の枠組みにとらわれない作品を制作しました。柳宗悦らとの交流を機に民藝運動に参画した芹沢は、琉球の紅型(びんがた)に魅了され、独自の「型絵染(かたえぞめ)」を生みだします。芹沢の見いだした模様には、文字、植物、人物、風景などさまざまなものがありました。
現在展示中の《益子窯出し》では、栃木県益子にある濱田窯を訪れたリーチが窯出しをしているようすがいきいきとあらわされています。
企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」は、7月6日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)