展覧会
中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー ご紹介その4
現在、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を開催中ですが、本日も「夢の箱」(山手館)の展示をご紹介します。
唐時代後半期から五代(8世紀後半から10世紀)には、華北地域の白磁と華南地域の青磁が発達し、実用的なやきものの生産が主流になります。このころから海外への輸出が本格化し、日本にも大きな影響を与えました。
また、北宋時代(10世紀から12世紀)に入ると中国全土に数多くの窯が出現し、その地域の特色をもったやきものが作られるようになります。
《青白磁水注(せいはくじすいちゅう)》愛知県陶磁美術館蔵
こちらは北宋時代に景徳鎮窯で作られた作品で、蓮の花びらの形をした承盤(しょうばん)と呼ばれる受け皿と水注がセットになっています。承盤の中にお湯を入れておけば、水注に入れたお酒が冷めない工夫がされています。
景徳鎮窯は五代のころから白磁の生産を開始し、北宋時代にはやや青みがかった白磁「青白磁」を生み出しました。蓋の上にちょこんとおすわりした獅子も愛らしいですが、胴の部分に浅く彫られた唐草文様がほんのり青く浮かび上がって見えるのも美しい作品です。ご来館の際は、ぜひじっくりとご覧ください。
企画展「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」は、9月1日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)