展覧会
藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに ご紹介その3
現在、企画展「藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに」を開催中ですが、本日は展示室のようすをご紹介します。
今回は、「夢の箱」(山手館)に展示している書簡にスポットを当てていきます。
小中学校時代の親友に宛てた葉書や、藤田の最初のパートナーである鴇田とみに宛てた手紙にはイラストが描かれ、受け取った人が楽しんで読めるようになっています。
なかでも、第二次世界大戦の勃発前から終戦のころにかけて画家・猪熊弦一郎に宛てた手紙には、藤田の優しさやユーモアがあふれています。
猪熊弦一郎宛の書簡(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵)
藤田は猪熊のことを「弦ちゃん」と呼び、家族ぐるみで親交がありました。
腎臓を患い闘病生活を送る猪熊を励ますため、藤田は絵入りの手紙を何度も送ります。
「キットなほるぞ 負けるな、おれがついてるぞ」
「ゆっくりやれ 神様は救けてくれる」
藤田の優しさが手紙からにじみ出ています。文章に添えられたコミカルな絵からも、猪熊は元気をもらったことでしょう。
企画展「藤田嗣治 心の旅路をたどる―手紙と手しごとを手がかりに」は、2月25日(日)まで開催中です。
会期中は月曜日も開館しています。
会期後半は混雑が予想されますので、お早めのご来館をおすすめいたします。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)