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展覧会

受贈記念:没後10年 舩木倭帆展 ご紹介その4

本日は、開催中の企画展「受贈記念:没後10年 舩木倭帆展」のようすをお届けします。

今回とりあげる山本記念展示室は、かつて大山崎山荘の居間として使われていた、本館で一番大きな展示室です。人びとが賑やかに過ごしていたと思われるこの部屋で、食器を中心とした舩木の作品をご鑑賞いただけます。

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《脚付盛鉢》1988-2012年、《リーフ文ピッチャー》1994年

まずは左の《脚付盛鉢》をご覧ください。舩木の作品には、空色、水色、浅葱(あさぎ)色などさまざまな種類の青色がみられますが、本作では群青色、とでも言うべき深く鮮やかな色が使われています。口縁部(こうえんぶ)、脚部、台座の縁の3カ所には透明なガラスが用いられており、作品の輪郭を際立たせています。2色のガラスのコントラストによって、全体にみずみずしい雰囲気も感じられ、あれこれと果物などをいれてみたくなります。

つづいて右の《リーフ文ピッチャー》は、ガラスのやわらかな丸みが印象的な一作です。舩木が好んで用いた「リーフ文」の装飾、注ぎ口、取手など、厚みのあるガラスが描く曲線は、自然と人を惹きつける温かさがあります。

舩木倭帆は島根県の布志名(ふじな)焼窯元の家に生まれ、陶芸家の父・舩木道忠や兄・舩木研兒とともに暮らす環境で育ちながら、ガラス工芸の道を志しました。ピッチャーの色や形からは、舩木のルーツでもある、黄釉(おうゆう)を特徴とする布志名焼の雰囲気をどことなく感じられます。

《リーフ文ピッチャー》は、当館ミュージアムショップで好評発売中の公式図録の表紙にも使われています。ご来館の際は、実物をじっくりとご堪能いただいたくとともに、その体験をぜひ図録と一緒にお持ち帰りいただけたらと思います。

企画展「受贈記念:没後10年 舩木倭帆展」は、123日(日)まで開催中です。

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

TM