展覧会
没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより ご紹介その3
本日は、現在開催中の企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」の展示室のようすをご紹介します。
山本記念室では、「拭漆」「朱漆」「螺鈿」「乾漆」「溜漆(溜塗)」それぞれの技法を解説し、黒田が手がけた作品をご覧いただけます。
中でもひときわ目を引くのが、「螺鈿」ではないでしょうか。
螺鈿とは、貝殻の真珠質の部分を研いで厚みや形を調整し、木地や乾漆の表面にはめ込んだり貼りつけたりする技法です。貝殻は、アワビ貝や白蝶貝、夜光貝などが使用されますが、中でも黒田はメキシコアワビ貝に魅了され、メキシコアワビ貝を施した作品を30代の頃から数多く制作しています。 耀貝白蝶貝螺鈿流卍文飾箱(1970年) 佐川美術館蔵
「耀貝」とは、木版画家の棟方志功が黒田のメキシコアワビ貝の加飾を称賛してつけた名前です。この作品は丸みを帯びた箱全体にメキシコアワビ貝と白蝶貝が施され、まばゆく光り輝いています。
螺鈿に使用されるメキシコアワビ貝と白蝶貝の貝殻も参考として展示していますので、あわせてお楽しみください。
企画展「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」は、5月7日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)