展覧会
こわくて、たのしいスイスの絵本展 ご紹介その2
本日は、現在開催中の企画展「こわくて、たのしいスイスの絵本」の展示室のようすをご紹介します。
夢の箱(山手館)では、『ブレーメンのおんがくたい』や『おおかみと七ひきのこやぎ』など、だれもが一度は読んだことがあるグリム童話の世界をお楽しみいただけます。
フェリックス・ホフマン《おおかみと七ひきのこやぎ おおかみ家に入る》 (1957年)
留守番をしていたこやぎたちが玄関の鍵を開けてしまい、おおかみを中に入れてしまう場面です。おおかみの力強く勢いのある描写から、こやぎたちの恐怖と焦りが鑑賞する側にも伝わってきます。
画面左側の棚にもご注目ください。棚に置かれた写真立てには、雄やぎらしきシルエットが見えます。もしかすると、こやぎたちのお父さんの写真なのかもしれません。母やぎとこやぎたちが、おおかみの犠牲となった父やぎの仇をうったのでは‥‥‥などと想像すると、物語終盤の少し残酷なシーンも理解できる気がします。
また、この作品のすぐ下には、《おおかみ家に入る》の次のシーンが描かれた《母やぎかえってくる》(1957年)が展示されています。ご来館の際は、是非この2作品を見比べて、こやぎたちが部屋のどこに隠れたのか、また、どこに隠れたこやぎが助かったのか、照らし合わせてみてください。
企画展「こわくて、たのしいスイスの絵本」は、12月25日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)