展覧会
コレクション 春 ―所蔵作品による名品展 ご紹介その3
本日は、現在開催中の「コレクション 春 ー所蔵作品による名品展」についてご紹介します。
「水をめぐる情景」がテーマになっている地中の宝石箱(地中館)では、作品と展示室全体がひとつの空間になっています。まるで自然に囲まれた建物の中から、外の景色を眺めているようです。
その中から1点ご紹介します。
ポール・シニャック《ヴェネツィア》 (1908年)
建築家を志していたポール・シニャックは、モネの作品に感銘を受けて画家を目指します。スーラと出会い、彼の科学的な点描技法を採用しますが、スーラの死後、点描から方形のモザイクのような筆触に変わり、また色同士が重なることを避けるため白い隙間をあける方法を取り入れ、装飾性のある独自の作風を確立させます。
シニャックはヨットを自分で操縦して各地を旅し、数々の風景画を残しました。
ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を運河からとらえた本作は、晴れた空が水面に映り、たわんだ帆の様子からさわやかで心地のよい風を感じます。
「コレクション 春 ―所蔵作品による名品展」は、7月3日(日)まで開催中です。
みなさまのお越しをお待ちしております。
(TH)