季節の庭園
黄緑色の光
桜や紅葉の美しさは言うまでもないことですが、実は隠れた人気を誇るのが新緑の季節です。
なにがいいって、光の色が違うんです。
薄いライトグリーンのヴェールを透過した太陽光が、庭園だけでなく、建物の隅々にまで行きわたって、美術館全体がぱあ~っと黄緑色に染まるんです。本当ですよ。
まだ柔らかい若葉から光が透けて見えるのがわかりますか?
睡蓮池のほとりにある藤棚は、ジヴェルニーのモネの庭を思わせます。
花はあっという間に終わってしまうので、見られるチャンスは今だけです。
さて、ここから屋内の光を見てみましょう(! 館内は写真撮影できません)。
同じく睡蓮池のほとりには、安藤忠雄設計による地中館があります。
鏡のようになめらかな打ちっ放しのコンクリートが、黄緑色を映し出していますね。
時間帯によっては、天井のコンクリートに水面がゆらゆら映って、まるで水の中を歩いているような錯覚におそわれます。
本館のサンルームのレースカーテンの向こう側には、楓が広がっています。
朝の清々しい光は格別ですよ。
黄緑色の光は、屋内にも深く差し込んできて、黒い木材に映り込みます。
春は、お部屋の中にもやってくるんですね。
池の水にも容赦なく黄緑は入り込んできます。
もっと撮影が上手ければよかったのですが・・・。本物の美しさはこんなものではありません。
日々の喧騒を離れて「自分も黄緑色に染まりたい!」という方はぜひ当館へ。
ただし、鳥たちのテンションが非常に高い時期ですので、少々うるさいかもしれません。
(A)