河井寬次郎
河井 寬次郎
《スリップウェア線文鉢》
制作時期
1930年頃
サイズ
縦21×横21×高さ6cm

飴色の地に筒描(つつがき)で、直線と曲線が組みあわされた大胆な文様が描かれています。本作の手法や文様は、濱田庄司がイギリスから帰国したときに持ち帰った、英国18世紀のスリップウェアにならったものですが、この堂々とした出来ばえからは、河井が単なる模倣に終始せず、自己のものとして昇華していたことがうかがえます。裏面には墨書で「三國荘常用ニ、昭和六年四月五日」とあり、三國荘への思いが感じられます。