1. スタッフブログ
  2. 男たちの情熱のゆくえー加賀とニッカと山荘と:その3

スタッフブログ

展覧会

男たちの情熱のゆくえー加賀とニッカと山荘と:その3

加賀は病をおして、資本提携のため朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス株式会社)社長・山本爲三郎へのニッカ株式譲渡を画策し、実現します。1954年7月9日、山本、加賀、芝川の三者により、株式譲渡の覚書が交わされ、さらに8月3日にはニッカ株を互いの了解なく売却しない旨の契約書も結ばれました。その5日後の8月8日、加賀は息を引き取ります。

趣味人として知られている加賀ですが、のこされた資料から、経済人として辣腕をふるっていたこと、亡くなる直前までニッカの行く末を案じていたことも分かりました。

1954年8月13日に山荘で営まれた加賀の告別式の案内は、加賀証券とニッカの連名で出され、三回忌の年にあたる1956年5月1日には、加賀をしのぶ園遊会がニッカにより山荘で開かれました。案内の文面には「氏がニッカウヰスキーに垂れられた厚き御高庇と愛情を今更深く感謝して」と記されています。

(4に続く)