アサヒビール大山崎山荘美術館(所在地 京都府乙訓郡大山崎町 館長 粟津晶あきら)は、2017年12月16日(土)から2018年4月8日(日)まで、濱田庄司(1894-1978)の没後40年を記念し、企画展「没後40年 濱田庄司展 ―山本爲三郎コレクションより」を開催いたします。
濱田は大正から昭和にかけて、生活に根ざし、重厚で力強さに満ちた作品を多く生みだしました。生活工芸の道を志し、1913年、東京高等工業学校(現・東京工業大学)窯業科に入学、1916年より京都市陶磁器試験場に入所します。1920年に渡英し3年余り本格的に作陶に挑戦して帰国後、1924年より栃木県芳賀郡益子町に入りました。同年から1928年頃には沖縄にも長期滞在し、作品を残しています。1930年益子の農家を購入して移築、翌年には住居のわきに登窯を築き、以降生涯一貫して益子で制作を続けました。
また、柳宗悦(1889-1961)や河井寬次郎(1890-1966)らと民藝運動を創始、日本の工芸界に多大な影響を与えます。1955年に第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定され、1968年には文化勲章を受章、長年にわたるひたむきな作陶活動が高い評価を受けました。
濱田と、民藝運動の支援者であった、アサヒビール初代社長 山本爲三郎(1893-1966)との出会いは、20代はじめと早く、それから半世紀以上にわたり親交を温めました。
本展では、山本家から当館に寄贈され、開館以来当館所蔵品の軸である山本コレクションを中心に、濱田の初期から晩年までの作品約100点をご紹介し、その陶歴をたどります。
関連イベントでは、土井善晴よしはる氏(料理研究家)に濱田庄司など民藝の先覚者たちについてご講演いただきます。また喫茶室では、「ホテル王」ともよばれた山本爲三郎ゆかりのリーガロイヤルホテルによる特製オリジナルスイーツを会期中限定で提供いたします。
没後40年が経過する現在もなお、濱田の魅力あふれる作品の数々は、私たちを惹きつけてやみません。濱田は「私の陶器の仕事は、京都で道を見つけ、英国で始まり、沖縄で学び、益子で育った※」と自身の活動を振り返っていますが、本展では、京都市陶磁器試験場時代の貴重な初期の作例や、英国や沖縄での作陶経験の影響がみられるもの、益子へ移住してから手がけられた作品群はもちろん、山本家のくらしを彩ったうつわまで、特徴ある山本爲三郎コレクションより濱田作品を一挙に公開いたします。
※『濱田庄司七十七盌譜』 財団法人日本民芸館、1972年 より
ページ上部画像
《スリップウェア格子文角鉢》(部分)1930年頃 当館蔵
会期 |
2017年12月16日(土) - 2018年4月8日(日) |
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休館日 |
月曜 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、読売新聞京都総局、朝日新聞京都総局、毎日新聞京都支局、産経新聞社京都総局、中日新聞京都支局、エフエム京都 |
主な展示作品

《スリップウェア格子文皿(こうしもんさら)》
1929年頃 当館蔵

《鉄絵葡萄文注瓶(てつえぶどうもんちゅうへい)》
1930年頃 当館蔵

濱田庄司
《柿釉蝋抜黍笹文筥(かきゆうろうぬききびささもんはこ)》
1960年代 当館蔵

《白釉型押流描角皿(はくゆうかたおしながしがきかくさら)》
1960年代 当館蔵
関連企画
講演会 「濱田庄司・民藝の先覚者たちに学ぶ」
日程 | ①2018年1月20日(土) ②2018年3月3日(土) |
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講師 | 土井善晴氏(料理研究家) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画 レクチャー 「濱田庄司と山本爲三郎」
日程 | 2018年1月14日(日) |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 11月下旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイト上で受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2、第4土曜日 |
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内容 | 学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
クリスマスウィーク スペシャルコンサート
日程 | サックス二重奏 |
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イメージ | 昨年の様子 |
内容 | 京都市立芸術大学音楽学部の学生によるコンサート |
会場 | 当館本館 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
協力 | 京都市立芸術大学キャリアデザインセンター |
大山崎山荘+聴竹居 ―大山崎のモダンライフ探訪ツアー
日程 | 2018年 |
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定員 | 各回20名、要申込(先着順) |
内容 | 同時代を生きた大山崎の二大セレブリティ―、実業家・加賀正太郎と建築家・藤井厚二のモダンライフをめぐる、当館学芸員と聴竹居倶楽部メンバーによる建築探訪ツアー |
会場 | 当館(庭園内非公開施設含む) ~ 徒歩 ~ 聴竹居 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料と聴竹居見学料(1000円)は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
展覧会開催記念企画 濱田庄司作品 特別販売 ―アサヒビールとともに
内容 | 濱田庄司と山本爲三郎 -二人の出会いからおよそ100年。 《鉄絵黍文皿》80,000円(税込) |
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