2017年は文豪 夏目漱石(1867−1916)の生誕150年にあたります。漱石は、生涯で4度京都を訪れており、その経験をもとに『虞美人草』(1907年)を著すなど、京都は漱石にとってさまざまな思い入れのある地でした。
1915年の4回目となる京都滞在中、漱石は関西の実業家 加賀正太郎(1888−1954)の熱心な招待に応え、大山崎に建設中であった加賀の山荘を訪ねました。若さあふれる20代の加賀は、大胆にも文豪の漱石に山荘の命名を依頼し、漱石は快く引き受けます。
後日、帰京した漱石が加賀に宛てた書簡には、工事の進捗を気遣う内容や、創案した14もの呼称案を書き記しています。加賀に書簡を送った翌年に漱石は没し、翌々年の1917年に山荘は竣工しました(第一期工事)。
漱石によるこの書簡は長らく所在が明らかではありませんでしたが、このたび確認され、漱石生誕150年そして大山崎山荘第一期工事竣工から100年目を迎えるこの記念すべき年に、当館で所蔵することとなりました。本展では、漱石が加賀に宛てた書簡を当館で初めて一般に公開するほか、漱石の日記や、ともに山荘を訪れた画家 津田青楓(1880-1978)らの作品も紹介し、漱石最後の京都滞在に迫ります。
さらに、加賀正太郎が情熱を注ぎこの地で栽培した蘭を、後年図譜にまとめた『蘭花譜』も展示することで、大山崎山荘にまつわるさまざまな歴史を紐解きます。
※ 会期中展示替えを行います
会期 |
2017年3月18日(土) - 5月28日(日) |
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休館日 |
月曜 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館、朝日新聞社 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、エフエム京都 |
主な展示作品
当館蔵(吉田由明・卓生氏寄贈)
県立神奈川近代文学館蔵
「no.12 ブラッソカトレヤ・
マダム チャールズ マロン‘オオヤマザキ’」
1946年 当館蔵
関連企画
対談 「大山崎に出会う -漱石・京都・加賀正太郎-」
日程 | 2017年3月19日(日) |
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ゲスト | 中島国彦氏(早稲田大学名誉教授) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
先生5度目の京都訪問が実現!! ―漱石アンドロイドが大山崎山荘へ―
日程 | 2017年4月14日(金), 15日(土), 16日(日) |
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定員 | 各回座席30名/立ち見30名 |
イメージ |
漱石アンドロイド
写真:二松学舎大学提供 |
内容 | 今話題の“漱石アンドロイド”(学校法人 二松学舎所蔵)による夏目漱石先生の作品朗読会を行います |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料(※ただし、美術館入館料は必要) |
協力 | 二松学舎大学(東京都千代田区) |
実施時間 | 1日5回(各回約25分) |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画 レクチャー 「漱石の書簡から紐解く山荘の物語」
日程 | 4月1日(土) |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 3月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2・第4土曜日(ただし5/27を除く)14:00-14:30 |
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内容 | 学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |