フランス・パリ生まれの画家、ロベール・クートラス(1930-1985)は、当時「現代のユトリロ」、「第二のベルナール・ビュフェ」として売り出されました。画家は、流行に左右される美術界での活動に苦しみ、画廊を離れ困窮のなかで制作することを選びます。画家が生涯をかけて描いたのは、小さな紙片を独自の神話のイメージや抽象的な模様で彩ったカルト、人間と動物の間のような生物が佇む静謐なグアッシュといった、一見ユーモラスななかに静かな悲しみを湛えた作品でした。画家をとらえていたのは華やかな美術界の流行よりもむしろ、石工として働いた青年時代に育まれた中世の職人世界への憧憬、パリの街角に暮らす人びとや動物たちの生活、古きフランス人の精神が宿る民衆芸術といった、長い時間が醸成したものだったのです。
2015年に没後30年を迎え、フランス・日本で続く回顧展によりクートラスの評価は高まりつつあります。本展では、初期油絵から制作の様子が伝わる資料まで未公開のものも含めご紹介いたします。深い部分で私たちをとらえ続けるクートラスの多彩な創造世界をご覧ください。
※ 会期中【前期】・【後期】で作品を入替えます
会期 |
【前期】 |
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休館日 |
月曜 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、 |
主な展示作品

1973年 油彩、紙
各約12×6cm 個人蔵
撮影:片村文人

1977年 グアッシュ、紙
52.5×37.5cm 個人蔵
撮影:片村文人

1970年代後半 油彩、板
23.5×43cm 個人蔵
撮影:片村文人

1979年 グアッシュ、紙
32.5×53.5cm 個人蔵
撮影:片村文人
関連企画
大山崎山荘+聴竹居 ―大山崎のモダンライフ探訪ツアー
日程 | 2017年 |
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定員 | 各回20名、要申込(先着順) |
内容 | 同時代を生きた大山崎の二大セレブリティー、実業家・加賀正太郎と建築家・藤井厚二のモダンライフをめぐる当館学芸員と聴竹居倶楽部メンバーによる建築探訪ツアー |
会場 | 当館(庭園内非公開施設含む) ~ 徒歩 ~ 聴竹居 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料と聴竹居見学料(1000円)は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
クリスマスウィーク オルゴールモーニング
日程 | 2016年12月20日(火)-25日(日) |
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イメージ | オルゴール「ミカド」 |
内容 | ポリフォン・ムジクヴェルケ社(ドイツ)製オルゴール「ミカド」の演奏会 |
会場 | 当館本館2階 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
クリスマスウィーク スペシャルコンサート
日程 | ソプラノ&ヴァイオリン |
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イメージ | 昨年の様子 |
内容 | 京都市立芸術大学音楽学部の学生を中心とするコンサート(各回約25分) |
会場 | 当館本館 |
協力 | 京都芸大キャリアデザインセンター |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画 レクチャー 「ロベール・クートラスの作品世界」
日程 | 2017年1月7日(土)14:00 - 15:00 |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 2016年12月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2、第4土曜日 |
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内容 | 当館学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
対談 1.「クートラス、思い出とその作品」
日程 | 2016年12月17日(土)14:00 - 15:30 |
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ゲスト | 岸真理子・モリア氏(クートラス遺作管理人) |
定員 | 各回50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
講演会 2.「クートラスへの思い」
日程 | 2017年1月14日(土)14:00 - 15:30 |
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ゲスト | 皆川明氏(デザイナー、ミナ ペルホネン) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |