「未来も新しくまた過去も新しい*」―柳宗悦
民藝運動の指導者 柳宗悦(1889-1961)は、急速な近代化によって失われつつあった民藝の品々に着目し、これまで顧みられることがなかった伝統的なものにこそ美が宿っていると唱え、新たな価値をつくり出しました。
柳の思想に共感し、民藝運動をあつく支援したアサヒビール初代社長 山本爲三郎(1893-1966)は、自らも中国や朝鮮、オランダの古陶磁を蒐集したほか、イランやウズベキスタン、ハンガリーなど、当時ではあまり目を向けられていなかった中近東や東欧の古陶磁を蒐集することで新しい美をもとめました。
これら古きものの中に新しい美を見いだしていた山本は、同じく伝統的なものに範を得て、現代的な造形に昇華した河井寬次郎(1890-1966)や濱田庄司(1894-1978)など、同世代の作家たちによる未来へ向けた美の創造についても深い理解を持ちあわせ、生涯にわたって彼らの支援を続けました。
また、ビール事業のほかにも数多くの先駆的な事業を手がけた山本は、文化への思い入れも強く、その支援対象は浅川伯教(1884-1964)の朝鮮古陶磁研究や、音楽方面など幅広いものでした。このような活動は、今では当たり前となった企業メセナによる社会還元の先鞭であり、山本の卓越した先見の明がうかがわれます。
開館20周年を記念する本展では、「未来も新しくまた過去も新しい」をテーマに、山本爲三郎が新しい美をもとめて蒐集した各地の古陶磁の名品を中心に展示するほか、彼が未来を見据えて支援した同世代の作家たちによる名品を紹介し、山本の美意識と、芸術文化支援活動の業績に迫ります。
*「下手ものゝ美」大正15年9月19日 越後タイムス
会期 |
2016年6月11日(土)-2016年9月4日(日) |
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休館日 |
月曜日 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、 |
主な展示作品
当館蔵
当館蔵
当館蔵
当館蔵
当館蔵
当館蔵
《緑鉄釉掛分流描大鉢》1960年頃
当館蔵
《春夏秋冬》1950年代
当館蔵
※展示期間:6月11日(土)‐7月18日(月)
関連企画
講演会 「幻の陶磁をもとめて ─近世ヨーロッパの苦闘」
日程 | 2016年6月12日(日) 14:00-15:00 |
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ゲスト | 樺山紘一氏(東京大学名誉教授/印刷博物館館長) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
講演会 2.「未来資源としての美意識」
日程 | 2016年6月24日(金) 14:00-15:30 |
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ゲスト | 原研哉氏(デザイナー/日本デザインセンター代表/武蔵野美術大学教授) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
講演会 3.「西アジアの酒宴美術史」
日程 | 2016年6月25日(土) 14:00-15:30 |
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ゲスト | 田辺勝美氏(東洋美術史学者) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室2 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |
夏休み企画 家族で楽しむクラシック音楽
日程 | 2016年8月6日(土)7日(日) |
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ゲスト | 京都市立芸術大学音楽学部生によるコンサート(各回約25分) |
会場 | 当館本館 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
協力 | 京都芸大キャリアデザインセンター |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画 レクチャー「時をこえる美─工芸の名品たち」
日程 | 2016年7月16日(土) 14:00-15:00 |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 2016年6月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2、第4土曜日 |
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内容 | 学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
夏休み 小学生向け企画 「たてもの探検隊」
日程 | A. 小学1-3年生 2016年7月31日(日) |
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定員 | 各回20名、要申込(先着順) |
内容 | いろいろな動物・植物の模様が隠れていたり、不思議なトリックがしかけられていたり、美術館本館(大山崎山荘)には、よく観察しなければわからない秘密がたくさんあります。 展示室をめぐりながら、学芸員と一緒にさぐり当てましょう。 |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料 |
参加受付 | 返信可能なFAXまたは往復はがきで |