アサヒビール初代社長・山本爲三郎(1893-1966)没後50年を記念し、山本が生前民藝運動* をあつく支援した証でもある、知られざる「三國荘」を再考する展覧会を開催いたします。
民藝運動を先導した柳宗悦(1889-1961)らは、1928年、御大礼記念国産振興東京博覧会にパビリオン「民藝館」を出品し、その思想を初めて住空間として表現しました。館内の家具調度品は全国各地から蒐集され、河井寬次郎(1890-1966)・濱田庄司(1894-1978)・青田五良(1898-1935)・黒田辰秋(1904-1982)らの手がけた作品も展示されました。
民藝館は民藝運動の支援者であった山本爲三郎が買いとり、博覧会終了後、大阪の三国の自邸に移築、「三國荘」とよばれるようになります。
ここは山本家の生活の場として用いられると同時に、民藝の人々も集い、初期民藝運動の拠点として使われました。三國荘は、東京・駒場に日本民藝館のない当時、民藝運動の象徴となる唯一の場所であり、また、室内装飾に日本、西洋、朝鮮、中国の装飾様式を見事に調和させ、急激に近代化の波が押し寄せつつあった日本において、新たな生活の規範ともなりました。
本展では、山本家からアサヒビール大山崎山荘美術館に寄贈され、開館以来当館コレクションの軸である陶磁器・調度品をはじめとする、三國荘ゆかりの品々を一挙に公開いたします。また、展示室で当時の室内の再現を試み、近年注目が高まる三國荘の全貌に迫るとともに、その歴史的・美的価値を改めて考える展覧会です。
会期中展示替を行います。
*「民藝」とは1925年、柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司が「民衆的工芸」を縮めてつくった造語。柳らは急速に進む近代化のなかで、手仕事の復権や美の生活化を訴えた。
会期 |
2015年12月22日(火)-2016年3月13日(日) |
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休館日 |
月曜日 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、 |
主な展示作品
《黒朱漆電灯笠》
当館蔵
《貝象嵌色字筥》1928年
当館蔵
《拭漆子供用椅子》1928年頃
当館蔵
《スリップウェアペリカン図大皿》1930年
当館蔵
《スリップウェア線文鉢》1930年頃
当館蔵
当館蔵
《紬着尺》(部分)1927-29年
当館蔵
《三國荘印半纏》
当館蔵
当館蔵
《鉄絵葡萄文注瓶》1930年頃
当館蔵
《白磁染付蝋抜ホップ文鉢》
当館蔵
18世紀
当館蔵
16世紀
当館蔵
関連企画
講演会「三國荘、大山崎山荘探訪」
日程 | 2016年2月11日(木・祝) 14:00-15:00 |
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ゲスト | 渡辺篤史氏(俳優) |
プロフィール |
1960年テレビドラマ「にあんちゃん」でデビュー。 |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |
講演会「三國荘と日本民藝館」
日程 | 2016年2月20日(土) 14:00-15:00 |
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ゲスト | 杉山享司氏(日本民藝館学芸部長) |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |
三國荘・大山崎山荘・聴竹居探訪ツアー
日程 | 2016年①1月10日(日) ②1月22日(金) |
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定員 | 各回20名、要申込(先着順) |
内容 | 本展における三國荘の再現展示、実業家・加賀正太郎の元別荘である大山崎山荘、建築家・藤井厚二の実験住宅である聴竹居、三つの建物からみるモダンライフを探訪するツアー |
会場 | 当館(庭園内非公開施設含む) ~ 徒歩 ~ 聴竹居 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料と聴竹居見学料(1000円)は別途必要 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画 レクチャー 「民藝の原点・三國荘と山本爲三郎」
日程 | 2016年1月16日(土) 14:00-15:00 |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 2015年12月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2、第4土曜日 |
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内容 | 当館学芸員による展示の見どころ解説 |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
クリスマスウィーク スペシャルコンサート
日程 | 弦楽四重奏(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ) |
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内容 | 京都市立芸術大学音楽学部の学生を中心とするコンサート(各回約25分) |
会場 | 当館本館 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
協力 | 京都芸大キャリアデザインセンター |
ニューイヤー オルゴールモーニング
日程 | 2016年1月3日(日)-9日(土) |
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イメージ |
オルゴール「ミカド」 |
内容 | ポリフォン・ムジクヴェルケ社(ドイツ)社製オルゴール「ミカド」の演奏会 |
会場 | 当館本館2階 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |