オーストリア出身の陶芸家ルーシー・リー(1902-95)、ドイツ出身の陶芸家ハンス・コパー(1920-81)。第二次世界大戦の戦禍を逃れてイギリスへ亡命した二人は、異国の地で長年にわたり同じ工房で働き、ときには共同制作をしながら、それぞれの創作に向きあいました。作風や方向性の違いはあるものの、彼らの作品の多くに共通している特徴は、ろくろで薄くひいたパーツを組みあわせ、納得のいくかたちをつくり出すことでした。薄さゆえのかろやかさを纏(まと)ったかたちとかたちの組みあわせは、抑揚の効いた新たなバランスを生みだして多様な表現を可能にするとともに、都市の洗練に根ざした理知的で静謐な世界観を構築しました。その結晶である二人の作品群は、今なお人々を魅了しつづけています。
一方、リーとコパーがロンドンで制作を始めた当時、イギリスの陶芸界を席巻していた潮流は、英国陶磁の伝統的な技法や作風を再発見して新たな価値を見出した、素朴かつ重厚で力強いやきものでした。その中心にはバーナード・リーチ(1887-1979)がいました。日本の民藝運動と深く関わったリーチを通じて、リーとコパーは柳宗悦(1889-1961)や濱田庄司(1894-1978)らとも交友をもつことになります。本展では、わが国を代表する陶芸コレクションを有する京都国立近代美術館からリーとコパーの作品を、そして当館所蔵品から、
リーやリーチ、濱田らの作品をあわせて展示することで、当時の様子を鑑みながらそれぞれの魅力に迫り、イギリス現代陶芸への新たな扉を開くこととなったかたちのであいを紹介いたします。
会期 |
2015年9月19日(土)-12月13日(日) |
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休館日 |
月曜日 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、 |
主な展示作品

当館蔵 Estate of the artist

京都国立近代美術館蔵
Estate of the artist

京都国立近代美術館蔵 Estate of the artist

当館蔵 Estate of the artist

京都国立近代美術館蔵
Estate of the artist

京都国立近代美術館蔵
Estate of the artist

(はくゆうどうひもちゅうへい)》1955年
当館蔵

当館蔵

当館蔵
関連企画
アルビオン・ミューズ工房時代の ルーシー・リーとハンス・コパー
日程 | 2015年10月4日(日) 14:00-15:00 |
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ゲスト | 陶芸研究家 西マーヤ氏 |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
内容 | 欧米陶芸美術誌への寄稿も多い陶芸研究家 西マーヤ氏を招き、リーとコパーがかかわりを持つこととなった |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |
創造への刺激 領域を超えて: チェロ奏者 上森祥平(うわもり しょうへい) とルーシー・リー、ハンス・コパー
日程 | 2015年10月25日(日) 14:00-15:30 |
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ゲスト | チェロ奏者 上森祥平氏 |
定員 | 50名、要申込(先着順) |
内容 | 京都府文化賞奨励賞を受賞し、世界的に活躍する気鋭のチェロ奏者 上森祥平氏を招き、リーとコパーの作品の魅力と自身の創造への刺激について、演奏を交えてお話しいただきます |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画: レクチャー「ルーシー・リーと ハンス・コパーの生きた時代」
日程 | 2015年10月3日(土)、11月28日(土) |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
参加受付 | 2015年9月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
申込方法 | 2015年9月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイトで受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中、第2、第4土曜日 |
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内容 | 学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |