創造の源泉を求めて旅に明け暮れたクロード・モネ(1840-1926)は、晩年になるとパリ近郊のジヴェルニーに暮らし、絵を描くように庭を造りました。草木の配置や花の組みあわせを研究し、庭師を使い、自身のイメージを現実の庭に再現したのです。庭に思索と安穏を見いだしたモネは、この庭から数多くの作品を生みだしました。
草花の美しさはわれわれの想像力を刺激し、その芳しい香りは潤いをあたえ、植物がもつ豊かな生命力は人々の憧れでありつづけてきました。本展では、クロード・モネの《睡蓮》や昔日の大山崎山荘の遺品である『蘭花譜』をはじめ、植物が描かれた古陶磁や、河井寬次郎(1890-1966)、濱田庄司(1894-1978)らが手がけたやきものまで、アサヒビール大山崎山荘美術館の所蔵品から、植物にまつわる表現の数々をご紹介いたします。
自然を愛し、植物に魅せられ、豊かな生命力に創造の源泉を求めた人々の想い、いのちへのまなざしを感じていただければ幸いです。
蘭花譜とは
大山崎山荘を建設した実業家の加賀正太郎(1888-1954)が1946年に300部限定で出版した版画集。蘭栽培を趣味とした加賀は、専門の技師を迎えて設備を整え、最盛期には大山崎山荘の蘭温室で1万鉢近い蘭が栽培されていた。
『蘭花譜』には104点の図版が収められており、うち83点は木版画で制作された。加賀は欧米の植物図譜を多く所蔵しており、『蘭花譜』出版にあたり、これらに負けないものを制作しようと腐心した。石版画や当時最新の印刷技術を試みるなど試行錯誤を経て到達したのが、わが国で非常に高い水準を誇る木版画であった。『蘭花譜』に収められた木版画1点あたりの摺りの回数は、じつに120~150回にも及んだという。
会期 |
2015年7月4日(土)-9月13日(日) |
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休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は翌火曜 |
主催 |
アサヒビール大山崎山荘美術館 |
入館料 |
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後援 |
京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、 |
主な展示作品
「no.26 パフィオペディルム・
ユウフラシア‘オオヤマザキ’」 1946年 当館蔵
「no.43 カトレヤ・クロソ‘オオヤマザキ’」
1946年 当館蔵
ルノワール
《葉と果実の飾り
のある若い裸婦》
1905年頃 当館蔵
関連企画
アサヒ ラボ・ガーデン提携企画: レクチャー「コレクションでめぐる 植物のものがたり」
日程 | 2015年8月1日(土) 14:00 - 15:00 |
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講師 | 当館学芸員 |
定員 | 40名、要申込(抽選) |
内容 | 企画展の理解をより深めるためのレクチャー |
会場 | アサヒ ラボ・ガーデン |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 2015年7月上旬よりアサヒ ラボ・ガーデンのウェブサイト上で受付開始 |
ギャラリートーク
日程 | 本展覧会中の第2・第4土曜日 |
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内容 | 学芸員が本展覧会の見どころを解説いたします |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料、ただし美術館入館料は別途必要 |
子どもギャラリーツアー
日程 | 1. 2015年7月19日(日) |
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対象 | A. 小学1 - 3年生 B. 小学4 - 6年生 |
定員 | 各回10名(要保護者同伴)、要申込(先着順) |
内容 | 美術館スタッフと一緒に館内をまわりながら作品をひとつひとつ観察し、その魅力を発見します |
会場 | 当館展示室 |
参加費 | 無料 |
参加受付 | FAXまたは往復はがきで |