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表現者 河井寛次郎展 いのちと心の造形

期間 2004年9月1日(水)~11月7日(日)
内容  
フランスの著名な文化人アンドレ・マルローは、河井寛次郎(1890-1966)の晩年の激しい作風を見て、「ベートーヴェン」と叫んだと言います。民藝の文脈で語られることの多い寛次郎ですが、近代の陶芸家の中でも、最も自己を自由に表現した作家でした。 飴釉泥刷毛目鉢
1955年/アサヒグループ大山崎山荘美術館
卒業した東京高等工業学校と、その後勤務した陶磁器試験場で身に付けた高度なテクニックを評価された新進作家の時代。柳宗悦らと知り合って、無名の工人が作り出した日用品の簡素で力強い美しさに惹かれた民藝運動の時代。そのような研鑚の日々を経て、戦後は自らの内面から湧き出てくる感動を、そのまま造形の中に表現しうる自由な境地に到達したのです。
木彫像(母子)
河井寛次郎記念館 魔術と呼ばれた釉薬の技は、得意としていた辰砂(赤)をはじめ、呉洲(青)や民藝調の海鼠、独自に造りあげた晩年の碧釉など多彩を極め、いずれも珠玉のような輝きをみせています。晩年には用を離れた陶彫や陶板も試みています。

形への飽くなき関心は、寛次郎を木彫や家具製作、書、文筆など、陶芸以外の分野にも踏み込ませています。著述の中で「新しい自分がみたいのだ-仕事する」と述べるように、自らに枠をはめることなく、晩年に至っても新たな分野に挑戦し続けたのです。

寛次郎の創作活動は、そのように奔放に繰り広げられましたが、いずれの作品にも、骨太な寛次郎の個性が色濃くあらわれています。寛次郎は名もない職人の質実な仕事を限りなく尊敬していましたが、自身の歩みはまぎれもなく自由な表現者に至るものでした。

この展覧会では、晩年の自由な境地を示す陶芸作品を中心に、初期や民藝期の代表作、木彫作品、デザインした家具やキセル、書などもあわせて約130点を一堂に展示して、表現者河井寛次郎の到達点を多面的に検証します。

 また、新館では、印象派クロード・モネ 「睡蓮」連作ほか、寛次郎が深く関心を寄せたジョルジュ・ ルオー、パブロ・ピカソの絵画(アサヒビール所蔵)も ご覧いただけます。

講演会/場所
アサヒグループ大山崎山荘美術館
9月25日(土)午後4時~
(先着30名、受付は午後3時~)

「遠き日の河井寛次郎」
鷺珠江(河井寛次郎記念館学芸員)
竹製椅子1940-41年頃
河井寛次郎記念館
三色打薬扁壺
1963年
河井寛次郎次郎記念館

睡蓮2004 森 ヲ アツメル ~山荘で過ごす夏 北尾博史展~ 2004年6月22日(火)から8月29日(日)まで
開催時間 午前10時~午後5時(最終入館時間は午後4時30分まで)
会期中 毎週金・土曜日は ~午後7時(入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日(但し7/19は開館)、7/20(火)
内容
 天王山の南山麓、夏の大山崎山荘には緑と光があふれています。当館では睡蓮の最も美しいこの季節、2002年より現代美術作家の協力のもとに、館の内外を散策いただきながら、クロード・モネ「睡蓮」をじっくりと楽しんでいただく展覧会を開催しております。
 今夏は、現代美術・彫刻家 北尾博史が真夏の美術館の各部屋にちりばめた、森の断片をたどりながら、大山崎山荘の過ごし方を見つけていただきます。

クロード・モネ 睡蓮

 北尾博史の作品は、誰もが思わずふと微笑まずにはいられない、やさしさに満ちています。無機質で堅い鉄や銅から作られた、森の木々や葉の彫刻。その小さなかたちに近づいて見てください。出来る影を見上げてください。そこからは思いがけないほど大きな葉が広がり、虫食いの跡には星座の影や、動物の足跡がひっそりと刻まれています。彫刻の重量感の中に、驚くほど繊細な光の情景が広がっていることに気付いていただけるはずです。
  立ち止まって木々をながめたり、太陽を感じたり、ゆったりとした時間を過ごすことを忘れがちな現代において、緑濃い森や木蔭に潜んでいる不思議に出会うヒトトキをお過ごしください。       
  本館では、民藝運動に参画した作家たちの作品より、植物や水をテーマに取り上げた作品を併せて展示いたします。


協力: (有)八木製作所、(株)洛陽、スタジオSi-Ⅱ、ギャラリータフ

森の部品 ミナモ ノ ミカヅキ 森の部品 モリ ノ カド 森の部品 ヒカリ ノ モリ
森の部品 ミナモ ノ ミカヅキ
森の部品 モリ ノ カド
森の部品 ヒカリ ノ モリ
ウサギ・ハト
 

北尾 博史
1967京都生まれ。1988京都芸術短期大学(現:京都造形芸術大学)立体コース卒業。1989-1990スイス/ローザンヌ、アトリエセラミックにて研修。1990-1993スイス/ジュネーブ州立美術学校彫刻科卒業。芦屋市美術博物館や、国際交流基金フォーラムによるunder construction展では、アジア美術新世代の日本代表作家の一人として選ばれ、各国を巡回。他、関西を中心に、個展・グループ展等で活躍中。

アーティスト・ギャラリートーク
7月2日(金)、3日(土)、8月13日(金)、14日(土)各日17:00-、先着30名、16時より受付

彩恋茶会 真夏の中国茶会 ワークショップ
黄安希(中国茶会講師)/7月17日(土)、18日(日) 11時~16時まで  
お問い合わせ先:TEL 06-6361-6910 (中国茶館「無茶空茶」)
   
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