人間国宝・志村ふくみ氏は、染織の分野で独自の道を開拓し、90歳となった今なお第一線で活躍しています。草木の自然染料で糸を染め、手機で色彩豊かに織りあげた作品の数々は、私たちを魅了してやみません。志村氏が本格的に染織の道に入った1955年からちょうど60年目を数える2015年、長い創作の歩みを振り返りそのルーツをたどります。
1941年、志村氏は母の小野豊から初めて機織を習ったことが発端となって織の世界へ導かれます。小野は、思想家・柳宗悦のすすめで、染織家・青田五良から指導を受けていました。とりわけ、青田から教えられた天然の植物染料による発色の美しさは、小野をとおし娘である志村氏に伝わり、素晴らしい成果が生み出されることとなります。
本展では、志村氏の原点となった1950年代後半の初期作品から初公開となる最新作まで、創作の60年をご紹介いたします。また、青田、小野の貴重な染織作品をご覧いただくとともに、志村氏の活動の出発を後押しし支えた、木漆工芸家・黒田辰秋、陶芸家・富本憲吉らの名品も同時に公開し、志村ふくみ氏の魅力とその源泉に迫ります。
志村ふくみ 染織家・随筆家
1924年滋賀県近江八幡市生まれ。1942年文化学院卒業。1955年染織の道を志し、実母・小野豊の手ほどきを受けながら織物の研究を始め、紬織に豊かな色彩を生みだし独創的な美の世界を展開している。
※美術館では開催いたしません。
リーガロイヤルホテル京都が本展のために考案した特製オリジナルケーキを提供いたします。
自然とともに生き、豊かな色彩を生みだす志村ふくみ氏の作品世界に想を得た限定メニューです。
木々をイメージしたスポンジケーキは、ほうれん草とかぼちゃで色を出しています。抹茶や紫いもクリームの層を交互にかさね、草木を照らす月を表すマカロンをのせました。
紅花の染色をイメージしたスポンジケーキは、赤米とトマトパウダーで色を出しています。オレンジやイチゴクリームの層を交互にかさね、太陽を表すマカロンをのせました。
※美術館では開催いたしません。