『蘭花譜』とは、大山崎山荘を建設した加賀正太郎が、自ら育てた蘭をモチーフに1946年に監修・制作した植物図譜です。本展では、過去最大規模の『蘭花譜』を展示し、蘭栽培にかけた加賀の情熱と人々の交流を紹介します。
加賀は、イギリスの王立植物園キューガーデンで初めて蘭を見て感銘を受け、大山崎山荘に温室をつくり、蘭を育成しました。大山崎山荘では、日本における蘭栽培の黎明期である大正から昭和の約30年間に1140種と1万鉢近い蘭が育成されました。
加賀が情熱をそそいでつくった『蘭花譜』は、木版画83点、カラー図版14点、単色写真図版7点の104点で構成されています。なかでも木版画は、西欧で多く出された石版画の植物図譜と異なり浮世絵の技術を採用しており、美しい色彩や技法は美術的、学術的にも優れた資料として評価を受けています。本展では、手書きの校正や版木などをご覧いただくことで蘭栽培と『蘭花譜』制作にかけた加賀の情熱を感じていただければ幸いです。
「パフィオペディルム・
ユウフラシア‘オオヤマザキ’」
木版画 48.5×33cm
「ブラッソカトレヤ・シリアナ
‘オオヤマザキ’」
木版画 48.5×33cm
「セロジネ・デヤナ」
木版画 48.5×33cm
「レリオカトレヤ・ペレウス‘オオヤマザキ’」
木版画 33×48.5cm
「ディモルフォルキス・
ロウイー」
写真 27×21cm